『野生の勘』

ライフスタイル

まだ飼い猫を室外にも出して飼っていた時代のこと。私が学校に行くとき、当時の飼い猫のミケは途中までいつも見送りにきて私が帰る頃には同じところまでお迎えに来てくれていた。帰ってくる頃をどうやって察知するのか不思議だった。

数年前、外で野良猫を撮影しているとその猫の耳やヒゲがピーンとなって、急にソワソワして鳴いたり落ち着かなくなり何かを待っている様子をみせた。
それから5分経ったくらいに、キコキコと坂道を登る自転車の音がして一人のおじさんが近づいてきた。なれた様子で近くに自転車を止めようとするとさっきの猫が「にゃーん」と駆け寄って行った。いつもその猫にごはんあげている人なのだ。

私たち人間の息遣いやいつも出している音のようなものは、猫の野生な感覚でいち早く察知されてるのかもしれない。



写真・文 : 石原 さくら

キャッテリーや猫カフェの運営における知識と飼養経験を活かしてペットファーストな撮影を心がけるフォトグラファー。愛玩動物飼養管理士一級。

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