『パンかお菓子かスモーランドプレッツェル Smålandskringla』

北欧のおやつとごはん

スウェーデン大使館が運営しているスウェーデンの情報サイト『スウェーデンデジ村』に『スモーランドプレッツェル』のレシピが追加されました。

デジ村によると、スモーランドプレッツェルとは

これはスモーランド地方の料理の一つです。このプレッツェルは中世の昔から作られていますが、いまだにお菓子なのか、パンなのか、はっきりと分類されていません。フィーカにぴったりですね!

スウェーデンデジ村

という興味を惹かれる説明。

見たことも食べたこともないお菓子ですが、材料と作り方を見ると、スコーンに近い感じなのかと想像しました。熱いうちにバターを塗って食べるとあるし、お菓子かパンかわからないところもスコーンっぽいです。

早速、検索してみたのですが、レシピはあまり出てきません。スモーランド地方以外ではあまり作る人はいないのかなあ。数少ないレシピを検討してみると、ライ麦粉を混ぜたり、イーストで発酵させる作り方もありました。こうなると益々パンなのかお菓子なのか、ですね。

一つ気になったのは、デジ村のレシピではパウダーシュガーを焼く前にからめるとあるのですが、画像検索に出てくる完成写真を見る限りでは、粉砂糖ではなくグラニュー糖がまぶされているっぽい。そこでレシピをスウェーデン語にしてみると、『strösocker』とあります(普段はGoogleで翻訳して読んでいます)。strösockerをGoogleで日本語に翻訳すると粉砂糖。

英語に翻訳するとpowdered sugar。

あー、分かった!

ここでいうパウダーシュガーとは、いわゆる粉砂糖ではなく、むしろ英語の第二候補にあるgranulated sugar(グラニュー糖)の方。日本で砂糖というとしっとりした上白糖を指しますよね。でも欧米では料理に砂糖を使わないので、砂糖といえば日本のいわゆるグラニュー糖になります。スウェーデン語なら『socker』。

お菓子や飲み物に使う細かいグラニュー糖もあって、英語で『caster sugar』といいます。レシピにあるスウェーデン語の『strösocker』は『caster sugar』のことなんだろうな。ただ日本のグラニュー糖はかなり細かいので、このレシピのためにわざわざ細かくしなくても大丈夫です。

それから、デジ村レシピにある『炭酸アンモニウム』は日本語ではむしろ『鹿角塩(ろっかくえん)』の方が通用するかも。この鹿角塩については何度も書いたので繰り返しになりますが、スウェーデンと違い、日本では専門的なお店でないと手に入りません。代用にベーキングパウダーを大体2倍にすればいいでしょう(レシピによるので必ずしも2倍、ではないですが)。

スウェーデンで買った鹿角塩の空袋

さて、下調べは終わった。あとは分量。デジ村レシピは30個分という恐ろしい数なので、5分の1の6個分にしました。うちは2人家族なのでこれで十分ですが、家族が多い方は2倍の12個で作ってもいいでしょう。

それでは材料とレシピです。

<分量>
6個分

<材料>
・バター 25g 室温に戻す。
・グラニュー糖 大さじ2
・溶き卵 ½個分
・サワークリーム 90cc 市販の1パック分
・薄力粉 150g
・ベーキングパウダー 小さじ1
・グラニュー糖 適量 焼く前にからめる用

<作り方>
1.室温で柔らかくしたバターとグラニュー糖をふんわりするまで泡立てで混ぜる。

2.サワークリームを加えて混ぜる。卵液を加えて混ぜる。

3.薄力粉を少し加え、ヘラに変えて混ぜる。

4.全体がなじんだら残りの薄力粉とベーキングパウダーを加えてヘラで切るように混ぜる。捏ねないようにする。完全に混ざらなくても粉っぽさがなくなればOKです。

5.生地をラップに包んで冷蔵庫で数時間冷やす。ここまでを前日にしても良い。

6.冷蔵庫から取り出した生地を6等分して、40cmくらいの長さに棒状に丸め、プレッツェルの形に成形する。


7.平皿にグラニュー糖(分量外)を入れ、成形した生地をひっくり返して押しつけ、表になる面にまぶす。


8.200度に予熱したオーブンで10分~13分焼く。

9.焼きたてにバターをつけてどうぞ。


<動画>

<ヒント>
焼くとかなり膨らむので、細目にのばして成形してください。

冷めても美味しいですが、電子レンジで10秒ほど温めると焼きたてに戻ります。

今回は6個だったので丸めた生地を放射状に切っていますが、倍で作るなら円筒状にのばして端からカットする方が分けやすいです。

食べた感じは、ソフトなスコーン。バターの風味に素朴なモフモフした食感が美味しいです。ケンタッキーのビスケットを連想したのですが、もう何十年もケンタッキーのビスケットを食べていないので、違っていたらごめんなさい。

簡単で美味しいので、ぜひ作ってみて下さい。フィーカにぴったりですよ!



三田陽子
北欧ビンテージの買い付けのため年に数回訪れる北欧各国で個性的な北欧料理にはまったのがきっかけになり始めた北欧レシピサイト『北欧のおやつとごはん』。材料は日本で手に入るものを使い、分量も日本サイズに調整して家庭で気軽に作れるように工夫されたレシピが人気。なかなか日本では食べられない北欧の味をお試しください。

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