『あなたの睡眠、大丈夫?』

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毎日ぐっすり眠れていますか?多忙なみなさんですから、胸を張ってYES!と答えられる人は少ないかもしれません。しかし、日々のちょっとした睡眠不足が、恐ろしい病気を引き起こすとしたら・・・?男性よりも女性の方が、睡眠の質が悪くなる傾向が強く、健康寿命が短くなる要因を持っているとしたら・・・?

日本人の平均睡眠時間はワースト1位

OECD(経済協力開発機構)が2018年に発表した「世界27ケ国の平均睡眠時間の調査 ※15〜64歳の平均」で、日本人は堂々のワースト1位でした。時間は7時間22分。それほど短くないのではと思われますが、アメリカ8時間45分、イギリス8時間28分、ドイツ8時間18分と、先進諸国と比較すると1時間以上短い結果でした。

今、女性の睡眠が危ない

中でも、日本人女性の睡眠が危惧されています。家事や育児の負担が大きく、長い通勤や就業時間も影響して、削るなら睡眠時間しかないというのが実情でしょう。実際、40代〜50代の女性の半数以上が、1日の平均睡眠時間が6時間を切っています。仕事も家庭も忙しい年代、十分な休養がとれていないことが明白です。(厚生労働省 平成29年「2015年 国民健康・栄養調査」より)

睡眠不足が続くと恐ろしい結末に・・・

では、睡眠不足が続くと、私たちの体にどのような弊害があるのでしょうか。まず、知らないうちに「睡眠負債」がたまります。睡眠負債がたまると、がんや脳血管疾患などの生活習慣病や、アルツハイマー型認知症発症のリスクが高まります。そして、最終的には、健康寿命が短くなる要因となるのです。

つまり、「睡眠負債」とは、自覚のないままに、日々の睡眠不足が借金のように積み重なり、病気のリスクが高まってしまう状態を指します。睡眠不足との違いは、自覚があるか、ないかです。寝足りない、寝ても疲れがとれないといった自覚があれば、まだ何かしらの対処ができますが、睡眠負債は自覚がないところが恐ろしいのです。

<睡眠負債度セルフチェック> 1つでもあてはまったら危険信号です!
□お昼前に強い眠気がある
□布団に入ると2,3秒で寝落ちする
□毎晩途中で目が覚めてしまう

女性が睡眠負債をためやすい2つの側面

女性が男性よりも眠負負債をためやすい理由には、2つの側面があります。

1つは、社会学的要因です。女性の社会進出が進み、ほとんどの方が仕事をされています。しかし、家事や育児は依然、女性がやるものとして負担が大きいですよね。

もう1つは、生理学的要因です。毎月の生理に妊娠、出産、更年期と、女性にはライフステージに応じた、特有の体の変化があります。生理の後の約2週間は、深部体温が高い状態が続いて、体自体が睡眠しづらい状態になります。出産後はまとまった睡眠をとりづらいですし、更年期には不眠の症状が顕著となります。

良質睡眠のためにできること

このように、女性は生涯を通じて、“睡眠”と向き合う必要があります。寝付きを良くしたり、質を高めるためのアドバイスを3つお伝えします。

①アロマを取り入れる
五感の中で唯一、臭覚だけが睡眠中も働きます。朝、おいしい匂いがしてきて目が覚めたという経験はありませんか!寝室には、ぜひ好きな香りを漂わせてみてください。おすすめは、ラベンダーやカモミール、サンダルウッドです。気分を落ち着かせて、スムーズな入眠へと導いてくれますよ。

②通気性の高い寝具で眠る
不眠の原因の1つに、蒸れがあります。ぐっすり朝まで熟睡するために、通気性が高く、蒸れにくい素材のマットレスや枕を選びましょう。最近人気のファイバーマットレスはおすすめです。また、シーツやパジャマは、綿や麻などの天然素材を選びましょう。天然ならではの吸放湿性とやさしい肌触りで、安心して眠りにつけますよ。


③ベッドで考え事をしない
掃除をしながら、今夜のおかずについて考えたり、何時に子供を迎えに行って、その後スーパーで〇〇を買って・・・と、女性の脳は、同時に複数のことを考えるマルチタスク型です。ですから、ベッドに入ってからも、いろいろと考えてしまいがち。これでは、脳を消耗させてしまいます。ベッドは、眠るための場所。考え事を持ち込んではいけません。眠る直前の精神状態が、その夜の睡眠に影響しますから、楽しいことやうれしかったことをイメージして幸せな気持ちで眠りにつきましょう。



<青野麻紀子 プロフィール>
(一社)睡眠改善協議会認定 睡眠改善インストラクター
インテリアファブリックスの総合メーカーに勤務後、大手流通企業の、寝具・インテリア繊維製品におけるデザインMDのコンサルティングを手がける。2011年、ライズTOKYOの設立に参加し寝具製品を本格的に追求し始める。2016年、RISEブランド発表を機に、睡眠コンシェルジュとしてセミナーなどを通じて健康睡眠啓蒙の活動を始め、現在に至る。

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