相談に乗るコツをカウンセラーが解説!アドバイスより大切なものとは
「後輩や同僚がせっかく相談してくれたのに、どうも納得のいく答えを出してあげられない……」そんな悩みを抱えていませんか? 実は、人の相談に乗るならぜひ知ってほしいコツがあります。そのコツを知って実践すれば、自分でも驚くほど相談のスキルが上がるでしょう。
今日は、相談に乗る機会が増えてきた人に覚えてほしいコツを3つご紹介します。どれも今日からすぐに実践できるものばかりですので、うまく相談に乗りたい人は参考にしてみてください。
目次
相談に乗る機会が増えたら覚えておきたいコツ3選
では早速、相談に乗る機会が増えた人に覚えてほしい3つのコツを順にご紹介します。
コツ1.最も大切なのは理解する姿勢!相手の悩みと主張に耳を傾けよう
相談に乗る上で最も重要なのが、相手の気持ちに寄り添う姿勢です。
あなたに相談してきた相手は何に悩み、どうしたいと思っているのでしょうか? 誰かの相談に乗るときは、この2点に注目してみてください。
実は人が何かに悩むときは、必ずといっていいほど理想と現実に差があります。ただ、自分ではその差になかなか気付けません。そこで必要となるのが、あなたの気付きです。あなたが先に気付けば、相手に気付いてもらえるよう導けます。
そしてそのために必要なのが、相手の思いに耳を傾けること。単純に話を聞くのではなく、心の声を聴くのです。
この方法を、専門用語で“傾聴(けいちょう)”といいます。
とはいえ、傾聴は今日の今日ですぐに実践できるものではありません。そこでオススメなのが、話を最後まで聞き切ることと、共感することです。
傾聴のスキル磨き1.とにかく最後まで話を聞き切る
上手に傾聴ができるようになるまでは、まず相手の話を最後まで聞き切ることに注力してみてください。
簡単に思えても、人の話を最後まで聞き切るのは意外と難しいものです。ましてや後輩や同僚から相談を受けるほど優秀な人なら、途中で口を挟みたくなる瞬間は少なくないでしょう。
というのも頭の回転が速い人や人の気持ちをくみ取るのが上手な人は、相手の言いたいことを早い段階で察知できるからです。
ですが傾聴は、相手の悩みや主張を察知し、予想することとは違います。
あなたが「多分こういうことを言いたいんだろうな」と思った内容は、あくまで予想に過ぎません。その内容が合っているかどうかを確かめるためにも、相談に乗るときは話を最後まで聞き切る姿勢が大切です。
傾聴のスキル磨き2.相手の気持ちにいったん共感する
相手の話を最後まで聞き終わったら、今度は相手の思いに共感してみてください。
共感とは、相手の気持ちをあなたも共に感じること。
仮に相手がミスをして上司から心ない言葉を浴びせられたのだとしたら「自分がその立場だったらどう感じるだろう?」と考えてみるのです。
その上で「それはひどいね」や「そんな言い方しなくてもいいのにね」といった言葉を掛けると、相手は「自分の気持ちを分かってくれた」や「分かろうとしてくれている」などと感じます。
傾聴をする上では、相手の意見や主張が正しいかどうかを考える必要はありません。
あくまでも相手の気持ちを理解し、受け止めること。そして「私はあなたの味方だよ」という姿勢を相手に見せることが大切です。
うまく相談に乗りたい人は、ぜひ傾聴のスキルを磨くところから取り組んでみてください。普段の何気ない会話から練習を始めると、少しずつ慣れていきますよ。
コツ2.男性と女性で対処方法は異なる!男女の違いを理解しよう
相談に乗る2つ目のコツは、男女の違いを理解して対処方法を使い分けることです。
同じ人間でも、男性と女性では会話に求めるものが異なります。
その違いが、こちら。
男性は“解決”を求め、女性は“共感”を求める |
男性に相談されたときは、一緒に解決策を考えてあげるのがベストです。
それに対して女性に相談されたときは、解決策を探すよりもとにかく共感してあげるのが◎。
もちろん人によっても違いはありますし、ケースバイケースでもあります。ただこの違いを知った上で傾聴すれば、使うべき対処方法が自ずと見えてくるハズですよ。
コツ3.否定や押し付けはNG!提案を心掛けよう
最後に、意見の伝え方に関するコツをご紹介します。
たとえ相手の意見が間違っていたとしても、相談されたときは否定しない姿勢を貫くことが大切です。
もし相手から「私に間違いがあれば教えてほしい」と言われていたなら、意見を否定しても相手は受け入れてくれるかもしれません。
しかしそうでない場合、相手は意見だけでなく自分自身を否定されたように感じる可能性があります。
人が悩んでいるときというものは、それほどナイーブな状態なのです。
誰かから相談されたときに大切なのは相手が自分で考えて気付くことであり、決してあなたの意見を受け入れてもらうことではありません。
そこでオススメなのが、あなたの意見を“いち意見”として伝える方法です。
例えば「あなたの意見も確かに一理あると思う。でもこういう考え方もあると思うんだけど、どうかな?」と伝えれば、相手は意見を押し付けられたとは感じないでしょう。
逆に「こうすべき」や「こうするのが当たり前」といった伝え方をするのは、あまり良い方法とは言えません。
こういった伝え方をすると、相手は自分が常識のない人だと批判されているように感じたり、一般論を押し付けられているように感じたりするからです。
相談に乗るときは相手の意見を否定せず、まずそのまま受け止めます。どうしても伝えたい意見があるときは、その後に“一般論”ではなく“あなたの意見”を提案してみてください。
この方法なら、きっと相手は素直に聞いてくれますよ。
相談に乗るときは寄り添う気持ちを大切にしよう
今日は、相談に乗る機会が増えてきた人に覚えてほしいコツを3つご紹介しました。
相談をしてきてくれた人に必要なのは、アドバイスではなく、寄り添う気持ちです。誰にとっても、親身になって話を聞いてくれる存在は多くありません。だからこそ相談に乗る機会が増えてきたときは、あなたがそんな存在になってあげてほしいと思います。
今日ご紹介したのは、どれもすぐに実践できるコツばかりです。うまく相談に乗りたい人は、ぜひ今日から練習してみてくださいね。
執筆:永瀬なみ(コラムライター・カウンセラー)
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