『オーブンで焼くフィンランドのパンケーキ Pannukakku』

北欧のおやつとごはん

フィンランドには独特なパンケーキ、パンヌカック(Pannukakku)があります。パンケーキは通常フライパンで焼くものですが、パンヌカックはオーブンで大きく焼き上げ、カットして食べます。

小麦粉に対して牛乳と卵の量が多く、クラフティっぽくもあり、むっちりでもありの独特な食感になります。この食感をどう説明しようか困って、試しにアメリカのレシピサイトで探してみると、作った感想欄に「パンケーキというよりフレンチトースト」「クレープとフレンチトーストが混ざった感じ」とあり膝を叩きました。そうそう、フレンチトーストだ。それにパンプディングに似ています。なんとなく伝わりましたか?

10年以上前に初めてフィンランドの人に教わったレシピは、牛乳、卵、小麦粉、砂糖に塩少々。今回改めてネットで調べると、溶かしバターを生地に加えているレシピが多く、というよりバターなしのレシピがほとんどなかった。それも、牛乳1リットルにバター100gがお決まり。随分と入れるなと思いつつ、試しにバター入りで作ってみたのですが、私には重すぎました。ただバターの風味は魅力的でしたので、バターの量を半分くらいに減らしたら、重すぎずちょうどいい感じになりました。胃に自信のある方は倍入れてください。知らんけど。

ところで、ツイッターでご家庭のオーブンについてアンケートを取ると、75%の方がオーブンレンジとの結果になりました。そこで電機店で様々なオーブンレンジの天板を計ってみると、内寸で27cm×27cm前後が主流。オーブンの容量の違いは高さの違いで、幅と奥行きはほとんど変わらないのですね(高級タイプを除く)。なので、このパンヌカックは27cm角前後を前提としたレシピになっています。1、2cmサイズが違っても厚みが少し変わる程度ですので、気にしなくても大丈夫。

それではレシピです。

パンヌカック
<分量> 4人分

<用意するもの>
・27cm角程度の天板

<材料>
・牛乳 500cc
・強力粉 50g
・薄力粉 50g
・卵 2個
・グラニュー糖 大さじ2
・塩 ふたつまみくらい
・溶かしバター 20g

<作り方>
1.強力粉、薄力粉、砂糖、塩をボウルに入れ、牛乳の半量を注ぐ。ここで滑らかになるまでかき混ぜるとだまにならない。

2.(1)に残りの牛乳を注ぎ、良く混ぜ、卵を割り入れ更に良く混ぜる。最後に溶かしバターを加え混ぜる。生地を30分ほど寝かせる。

3.オーブンを220度に予熱する。

4.オーブンの天板にクッキングシートを敷く。天板を霧吹きなどを使って濡らし、シートをぴったりと型に張り付かせる。

5.寝かした生地を良くかき混ぜてから、シートを敷いた天板に生地を流し入れる。生地を流したらすぐにオーブンに入れる。

6.220℃で15分焼き、200℃に下げて更に15分焼く。


<動画>

<ヒント>
フィンランドのグルテンが多い小麦粉に合わせて、強力粉と薄力粉を混ぜていますが、強力粉だけでも薄力粉だけでもいいですし、中力粉でもいいです。生地の水分が多く小麦粉が沈みやすいので、天板に入れる前に良くかき混ぜ、天板に入れたらすぐにオーブンに入れて、焼き上がりが2層になるのを防ぎます。

切り分けて、ジャムだけ、あるいはジャムと生クリームを添えるのがフィンランド流。冷めたら食べるときにレンジで温めなおすと美味しいです。


三田陽子
北欧ビンテージの買い付けのため年に数回訪れる北欧各国で個性的な北欧料理にはまったのがきっかけになり始めた北欧レシピサイト『北欧のおやつとごはん』。材料は日本で手に入るものを使い、分量も日本サイズに調整して家庭で気軽に作れるように工夫されたレシピが人気。なかなか日本では食べられない北欧の味をお試しください。

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