『夏の北欧の風物詩、ザリガニパーティー』
この時期にフィンランドを訪れたことがある人は、レストランでザリガニパーティーのお知らせを見たり、友人宅で開催されるザリガニパーティーに招待されたりした経験があるのではないでしょうか。フィンランドのザリガニ解禁日は例年7月21日。ですので8月や9月のまだ屋外でギリギリ食事ができるこの季節は、ザリガニパーティー開催にちょうど良い頃なのです。
ザリガニパーティー(フィンランド語でrapujuhlat、スウェーデン語ではkräftskiva)はザリガニをたくさん食べて歌をたくさん歌ってスナップス(ウォッカなどな強いお酒をショットで飲み続けること)を繰り返す、晩夏のお祭りです。元来はスウェーデンからフィンランドに入ってきた慣習であるため、フィンランド人の中には出身地域や家族によっては「ザリガニパーティーをしたことがない」という人も少なくありません。私の場合は、10年来の友達や夫の家族など、スウェーデン語系フィンランド人に囲まれたフィンランド生活を送ってきたため、ザリガニパーティーには毎年欠かさず呼ばれたり、自分で開催したりしてきました。
庭で、サマーコテージで、湖畔で、屋上で、友達の家で。ザリガニは100匹以上用意し、ひたすらに殻をむいて食べ続けます。昼に開始して夜中に終えるのが通常で、ザリガニ以外にはパンとバター、サラダやサマーポテトやキッシュ(フィンランド語とスウェーデン語ではパイ扱い)、庭で採れた野菜や野草で作った料理も用意します。
開催中はスウェーデン語とフィンランド語の歌を歌ってたくさん飲んで、大人も子どももワイワイはしゃぎます。魔法みたいにキラキラした楽しい家族や友達との時間。北欧の人が大好きな夏のパーティーの一つであることは、驚きではないと思います。
私が日本に住んでいた時は、50人以上招いて何年も連続で多摩川の河川敷でザリガニパーティーを開催していました。IKEAでザリガニやスナップス、飾りも買えます。これは歌詞カードの挿絵のザリガニ、トイレに並んでます。日本でもぜひ、開催してみてはいかがでしょうか。
文 : 吉田 みのり
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