『おうち時間を味方につける!心も体もぐっすり眠る5つのヒント』

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誰も想像できなかった新型コロナウィルスの拡大。長引く自粛期間や、企業のテレワーク導入による新しい生活様式により、心身の不調を訴える「コロナうつ」や「コロナ不眠症」の人が増えていると言われています。

それもそのはず、コロナ禍で大きく変わった私たちの毎日は、心身の疲労がたまりやすく、また、睡眠の質が悪くなる生活習慣を余儀なくされていると言っても過言ではありません。

心身の疲労・・・その正体とは

私たちの心と体を不調にする厄介な疲労には、次の3つが考えられます。

① 外出の機会が減り運動不足による体の疲労
② 人とのコミュニケーション不足による心の疲労
③ スマホなどのデジタル依存による脳の疲労

そして、これらの疲労がたまりやすい原因として、次の3つが想定されます。

原因① 自宅で過ごす時間が長いため太陽を浴びる時間が少なくなったこと
原因② 同僚や友人と笑ったり楽しむ機会が減ったこと
原因③ SNSなどスマホやPCを見る時間が増えたこと

どれも心当たりがありますよね!

睡眠は何のためにとる?

疲労をとるためには、ぐっすり良い睡眠をとることが最適な方法です。ほとんどの人は、毎日6〜7時間程度の睡眠をとると思いますが、合計すると、人生の約3分の1から4分の1の時間を占めています。最近は、睡眠の価値に気づき、質を高めたいという相談が増えてきています。

そもそも睡眠には、疲労回復のほか、記憶の整理と定着、免疫力向上という3つの役割があるのですが、みなさんに知って頂きたい一番のポイントは、先述した疲労をすべて回復してくれる唯一の方法が「睡眠」であり、しかも、「質の高い睡眠」だけであるという点です。

心も体もぐっすり眠る5つのヒント

では、ここからは、睡眠の質を高めてぐっすり眠り、体・心・脳の疲労をすっきり回復させるための5つのヒントをお伝えしていきます。すべてを完璧にやろうとすると負担になりますから、気楽にできるものからトライしてみてください。

ヒント❶
起床したら朝陽をながめる

睡眠は夜だけ意識すれば良いと思っていませんか。ぐっすり良い睡眠をとるための勝負は、朝から始まっています!起床したら、カーテンを開けて朝陽をながめましょう。陽の光を目に入れることで、脳にある中枢の体内時計(体内リズム、生体時計とも呼ばれます)が、夜になると眠たくなるようにリセットされます。私たちの体内時計は、24時間より少し長いため、地味ですが重要な作業と言えます。

曇りの日でも問題ありません、毎朝15秒程度で十分です。日頃、意識することのなかった朝の澄んだ空気や青い空、窓の外の美しい風景に、新たな発見があるかもしれませんよ。

★さらに上級編!日中もなるべく太陽を浴びる★
テレワークなどで長時間同じ姿勢が続くと、仕事の効率も落ちてしまいます。昼食後は思い切って外に出て、散歩はいかがですか。気分転換になりますし、太陽を浴びると幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが多く分泌されます。セロトニンが不足すると、気分が落ち込みやすく、必要以上にストレスを感じやすくなります。セロトニンは、夜になると眠りのホルモン、メラトニンに変化するため、睡眠の質向上のためにも、太陽からたくさんのパワーをもらいましょう。

ヒント❷
適度なエクササイズを

夕方に30分程度、軽い有酸素運動をしましょう。ウォーキングや、室内でのオンラインエクササイズもいいですね。ポイントは深部体温(脳や内臓などの体温)を上昇させること。私たちの体は、深部体温が下降することにより、眠たくなるメカニズムとなっています。夕方に一度体温を上げておくと、就寝する頃に下がってきますから、スムーズな入眠が期待できます。

★さらに上級編!エクササイズは笑いとともに★
できれば、ニコニコ笑いながらエクササイズしてください!他者と楽しくコミュニケーションをとることで、心もリフレッシュします。笑いは、メンタルを明るくポジティブに導くと同時に、セロトニンが多く分泌される効果も報告されています。腹部の運動にもなるので、一石二鳥ですね。

ヒント❸
お風呂は究極のリラックスタイム

ぐっすり良い睡眠を目指すために、シャワー?それとも、湯船につかる?どちらが最適だと思いますか? ・・・答えは、「湯船につかる」です!

入浴は、就寝1時間前を目安に、38度〜40度のぬるめのお湯にゆっくり10分程度が理想です。これも深部体温が関係しています。熱めのお湯が好きな方は、就寝90分前など、ご自身で時間を調整頂ければ大丈夫です。また、どうしても寝る間際に入らなければならない状況の際には、シャワーだけにしてください。体の表面しか温まらないので、入眠を妨げにくいです。

★さらに上級編!炭酸泉効果を利用する★
炭酸入りの入浴剤でひと工夫しませんか。炭酸泉効果で、血流を促進して疲労を流しやすくしてくれます。好きな香りのものを選んで、リラックス効果も取り入れましょう。入浴には、悪いものを流す、浄化という作用もあるそうです。お風呂時間を、賢く有効に使いたいですね。

ヒント❹
”スイミン・スイッチ”をON

現代人は、1日の大半をスマホやPCと向き合い、交感神経優位な緊張状態で過ごしています。そのため、副交感神経への切り替えが苦手です。毎日オーバーヒート状態の私たちの脳、この脳疲労から回復させてくれるのが、睡眠です。睡眠とは、副交感神経が優位な状態ですので、ぐっすり眠るためのスイッチをONするには、意識して準備をする必要があります。
そのための準備とは、自分なりの入眠ルーティンです!心と体がゆるむことなら何でもOK。ストレッチ、瞑想、写真や本、ハーブティーなど・・・アロマの効果を利用するとさらにリラックス度が増して、”スイミン・スイッチ”が入りやすくなります。大切なのは、習慣化することです。脳は習慣が大好きなので、この動作をする=眠る準備だ!と、判断してくれます。ぜひ、あなただけのルーティンを見つけてください。お子さんと一緒にやれば、親子のコミュニケーションにもなりますよ。

★さらに上級編!デジタルOFFのすすめ★
コロナ禍で、スマホの使用が増えている傾向があり、ブルーライトや電磁波の影響が心配です。また、SNSなど常に誰かとつながり、情報の渦のなかに身を置くことで蓄積する脳疲労が、健康を害するリスクが高まっています。現代人が1日に受け取る情報の量は、江戸時代の1年分とも言われています。就寝1時間前には電源をOFFするなど、少しでもスマホと向き合わない時間をつくり、脳を休ませましょう。

ヒント❺
最近話題の高反発寝マットレスとは

今のマットレス、何年ぐらい使っていますか?おうち時間が増えていますので、この機会にマットレスを見直すのもおすすめです。どんなに高級なマットレスでも、耐用年数は約5年〜7年と言われています。最近は、さまざまな素材が出ていますが、睡眠の質を考えるなら、断然「高反発」がおすすめです。高反発とは、その名の通り “反発力が高い”マットレスのことを指します。

高反発マットレスのメリット1:体の一部分の沈み込みや負担を軽減してくれる
(人間は腰やお尻まわりの重さが、体重の約44%を占めています)

高反発マットレスのメリット2:自然な寝姿勢をサポートしてくれる
(立ち姿勢がそのまま横になった姿勢が理想の寝姿勢と言われています)

高反発マットレスのメリット3:スムーズな寝返りを促進してくれる
(寝返りを打つ際は覚醒しやすいため、スムーズであれば熟睡につながります)

つまり、高い反発力と弾力性で全身をバランス良く支えてくれるから、負担がかかることなく快適な睡眠がとりやすくなります。柔らかい素材のマットレスの場合、腰部分が沈んで、体がくの字になってしまいます。寝返りも打ちづらくなりますから、途中で目覚める回数が多くなって、その結果、睡眠の質が下がります。

高反発マットレスは寝心地が固いのでは?と、心配される方も多いですが、寝心地とは、寝付くまでの少しの間の感覚です。その後、数時間も続く睡眠の質を維持できるほうが良いと思いませんか。朝目覚めた時の違いを、ぜひ、実感してください。

★さらに上級編!寝返りの効果はすごい★
みなさんは毎晩、何回くらい寝返りを打っていると思いますか? 20〜30回も打っています!無意識に打つ寝返りには、実はすごいパワーがあります。1つ目は、「深部体温の調節」。同じ姿勢で長時間寝ていると蒸れやすく、体温が上昇してしまうため、寝返りを打つことで熱を逃しています。2つ目は、「血流の促進」。睡眠中もしっかり動くことで、酸素を十分に行き渡らせて疲労を流してくれます。3つ目は、「背骨の調整」。日中の生活で歪んだ背骨を調整してくれる働きがあります。 いかがでしたか?

これで準備は整いましたね、おやすみなさい!



<青野麻紀子 プロフィール>
(一社)睡眠改善協議会認定 睡眠改善インストラクター
インテリアファブリックスの総合メーカーに勤務後、大手流通企業の、寝具・インテリア繊維製品におけるデザインMDのコンサルティングを手がける。2011年、ライズTOKYOの設立に参加し寝具製品を本格的に追求し始める。2016年、RISEブランド発表を機に、睡眠コンシェルジュとしてセミナーなどを通じて健康睡眠啓蒙の活動を始め、現在に至る。

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