『スウェーデンの薄焼きパン、クネッケブロード Knäckebröd をSOSで食べよう』

北欧のおやつとごはん

スウェーデンのクネッケブロードを作りませんか。クネッケブロードとはスウェーデンを始め、北欧各国で食べられている薄い堅焼きパンで、西暦500年から作られているとか。スウェーデンのスーパーではこのように多くのスペースを割いて様々な種類が販売されているほど、今でも北欧の食卓に欠かせない食材の一つです。

大きな丸い形に中心に穴が開いている形が一般的。スウェーデンとフィンランドを結ぶ船内のビュッフェでは、その穴を利用して棒に刺さっていました。

中心の穴は本来は棒に刺して、梁にかけて保存するためのもの。ちょっと分かりづらいですが、下の写真の左上にぶら下がっているのが分かりますか?(これはフィンランド。そして、店主に聞くと食べるものではなく、ディスプレイだそうです。)

昔は年に2回、つまり半年分をまとめて焼いていたそうです。これは1911年に撮影の、専門の型でクネッケブロードを型抜きしている写真。

年に2回って高温多湿の日本にいると信じられませんが、低温乾燥の北欧なら大丈夫なんでしょうねえ。現在は梁の上で棒に刺して保存する人はもういないのですが、連綿と穴あきの形が伝統として作られています。

そのクネッケブロードを作ってみました。現地のレシピのほとんどにある「オーブンの最高温(250℃以上)で2~4分で焼き上げる」方法ではパリッと仕上がりませんでした。日本とはオーブンの種類が違うのかも。そこで、配合や工程を変えながら5回作って、ようやく満足できるレシピが完成しました。

形は伝統の丸ではなく、作りやすい四角形にしています。どうやら形は関係なく、薄い堅焼きパンのことをクネッケブロードと呼ぶらしいです。もちろん、スウェーデンの伝統に倣って丸くしてもいいですよ。

<用意するもの>
・30cm角くらいの天板

<材料>
・バター 20g
・水 90cc
・ドライイースト 小さじ1
・塩 小さじ¼
・フェンネルシード 小さじ½
・キャラウェイシード 小さじ½
・アニスシード 小さじ½
・ライ麦粉 70g 粗挽き~中挽き
・薄力粉 50g

<作り方>

1.バターは溶かす。水は40℃くらいに温める。スパイスは粗く刻む。

2.ボウルにイーストを入れ、温めた水と溶かしたバターを加え良く混ぜる。

3.ボウルにライ麦粉を加えて木べらでしっかりと混ぜる。

4.薄力粉、塩、刻んだスパイスを加えて木べらでしっかりと混ぜる。ベタベタしているけれどまとまる生地になります。

5.生地がある程度まとまったら、ボウルにラップなどでカバーをして30分休ませる。

6.生地を2枚のクッキングシートの間に挟むか、食品用ビニール袋に入れて、ローリングピンで天板の大きさに合わせて薄くのばす。厚さは2~3mmにする。

7.生地をクッキングシートを乗せた天板に移し、フォークで全体に穴を空ける。ナイフなどで、お好みの大きさにカットする。この時に胡麻や粗塩を振ってもいい。


8.オーブンを200℃に予熱し15分~20分焼く。指で叩いて固く乾いていれば焼き上がり。


9.ラックの上に乗せ冷ます。

<動画>

<ヒント>
スパイスは全種類揃わなければ、1種類でも2種類でもいいです。
この分量で大体30cm角だとちょうどいい薄さになります。天板が小さい場合は2回に分けて下さい。
生地をのばして天板に乗せるのにコツがありますので、動画で確認してください。

生地の伸ばし方(クッキングペーパーの間に挟んだ場合)
生地の伸ばし方(ビニール袋に入れた場合)

木曜日の豆スープヤンソンの誘惑に付け合わせとして人気があります。上に具を乗せるならバターを塗ってチーズとニシンの酢漬けがお勧め。この3種類はスウェーデンではお決まりの組み合わせで、「Smör(バター)、Ost(チーズ)、Sill(ニシンの酢漬け)」の頭文字をとってS.O.S.と呼ばれるそう。

ニシンの酢漬けは北欧系の食品店や通販で求めになれます。北欧定番の味をお試しください。

しょっぱい具だけでなく、甘い具にも合います。

何もつけなくても美味しいので、小腹が空いたときにもどうぞ。

ああ、そうだ。最初は均等な薄さにのばせず、厚い部分が出来てしまい、そこだけパリッとなりませんでした。そこで電子レンジに30秒ほどかけるとパリッと。湿気た煎餅をパリッとさせる日本伝統の(?)方法ですね。もし場所によってしなっとしたものが出来上がった時は、それだけ電子レンジにかけて乾燥させるのがお勧めです。



三田陽子
北欧ビンテージの買い付けのため年に数回訪れる北欧各国で個性的な北欧料理にはまったのがきっかけになり始めた北欧レシピサイト『北欧のおやつとごはん』。材料は日本で手に入るものを使い、分量も日本サイズに調整して家庭で気軽に作れるように工夫されたレシピが人気。なかなか日本では食べられない北欧の味をお試しください。

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