『ノルウェーの鯖のトマト煮 Makrell i tomat』

北欧のおやつとごはん

ノルウェー料理を作ってみようかとレシピを探すのですが、なかなか難しい。歴史的な背景のためか、ほとんどの料理はデンマークかスウェーデンと同じだし、じゃあノルウェーにしかないものと探すと、羊の頭だったり、干しダラ料理だったりと材料が入手困難(そして出来れば食べたくない、羊頭)。

羊頭は置いておいて、ノルウェーでの干しダラ料理の代表に、トマトと煮込んだバカラオというシチューがあります。寒い北の国なのにトマトを使った料理が代表なんておかしな感じはしますが、バカラオ=スペイン語でタラ、から分かる通り南欧からの逆輸入レシピ。スペインとその隣国ポルトガルでは15世紀からノルウェーの干しダラを航海中の保存食として利用し、ポルトガルでは365日毎日違う干しダラ料理が出せるというほど国民食になっています。

そしてタラだけでなく、サバの漁獲量も多く、日本で販売されているサバの半分以上がノルウェー産とか。皆さんもスーパーでノルウェー産のサバを手に取ったことがあると思います。

ノルウェーのサバ料理と言えば、1950年代から家庭で愛されているサバのトマト煮の缶詰があります。なぜトマトと組み合わせたのか不思議に思うのですが、もしかしたらバカラオからの連想なのかも。ノルウェーのスーパーに行けば様々なメーカーやフレーバー、小さいものからチューブ入りまでバリエーション多く、今ではサバのトマト煮缶は国民食。特に有名なのは黄色い缶詰、Stabbur-Makrellです。

そうだ、サバのトマト煮を作ろう。

これぞノルウェーの味じゃないか、と思いつきレシピを探すも、さすがに缶詰が普及しているので、自分で作っている人はほとんどいません。なんとか見つけ出したレシピ数種類と、缶詰の原材料(サバの切り身71%、トマトソース29%(トマトペースト、水、菜種油、砂糖、塩、酸化防止剤 ))を照らし合わせながらレシピを完成しました。

最後に食べたのは随分と前で記憶が曖昧なので再現性はイマイチ確信がないのですが、これはこれで美味しく出来ました。サバの切り身が手に入ったら、ノルウェーに思いをはせて作ってみてはいかがでしょうか。

【ノルウェーのサバのトマト煮】

<用意するもの>
・蓋つきの耐熱容器

<材料>
・骨なしのサバの切り身 2尾分 (約550g)

トマトソース
・トマトピューレ 200g
・トマトペースト 大さじ1
・酢 大さじ1
・サラダ油 大さじ5
・砂糖 大さじ2
・コショウ 小さじ1
・塩 味見をして適量

<作り方>
1.塩以外のトマトソースの材料を良く混ぜる。
2.サバの骨を丁寧に取り除き、洗って水けを拭っておく。
3.耐熱容器にソースを敷き、サバの切り身を並べ、残りのソースをかける。
4.耐熱容器に蓋をして、200℃に予熱したオーブンで30分焼く。軽く混ぜて、味見をし、塩で味をととのえる。
5.粗熱が取れたら保存容器に移して冷蔵庫で保存する。

ヒント
耐熱容器に蓋がない場合はアルミホイルでしっかりと蓋をしてオーブンに入れて下さい。
サバの塩気がそれぞれ異なるので、出来上がってから味見をして塩を入れた方がいいです。今回は小さじ2くらいを加えました。
出来上がったサバトマト煮は保存容器に入れて冷蔵で3日、小分けにして冷凍すれば長期保存できます。

ノルウェーのレシピではトマトピューレのみだったのですが、北欧のトマトピューレは日本のものよりも濃い(4~5倍濃縮)ので、トマトペーストと混ぜました。トマトペーストを用意するのが面倒でしたら、トマトピューレだけでもいいです。参考までに、カゴメのトマトピューレは3倍濃縮、トマトペーストは6倍濃縮です。

出来上がったサバトマトは、パンに乗せるのが一番一般的な食べ方。

パスタやオムレツの具にしてもいいです。魚の栄養を気軽に美味しく取れるノルウェーの定番の味です。ぜひノルウェー産のサバで作ってみて下さい。


三田陽子
北欧ビンテージの買い付けのため年に数回訪れる北欧各国で個性的な北欧料理にはまったのがきっかけになり始めた北欧レシピサイト『北欧のおやつとごはん』。材料は日本で手に入るものを使い、分量も日本サイズに調整して家庭で気軽に作れるように工夫されたレシピが人気。なかなか日本では食べられない北欧の味をお試しください。

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