#10 イチゴと家庭菜園

スウェーデン ABCブック

連日20度を上回る日がつづき、もう完全に夏。保育園に息子を迎えにいった足で近所の浜辺に行くという日々ですが、さて、夏といえば、ショッピングセンターの駐車場や、交通量の多い通りの側道にあらわれるイチゴの屋台。買おうと思えば年がら年中手に入るイチゴですが、旬は夏。味がいいかどうかは別として、旬ものはやっぱり気分がいい。それが地元のものならなおさらですよね。冒頭の写真のお店は訪れた時には最後の3パックのみ。「これが売れたらもう私の週末がはじまるの」と言われ、全部購入した金曜日の15時。 

お友達の家におよばれしたときなど、手土産に最適なので、ついつい立ち寄ってしまいます。ほとんど子供達に食べられてしまいますが。 

さあ、そんなイチゴが家で食べたいだけ食べることができたらどんなに幸せか、ということで(ということではないですが)今年の夏のプロジェクトは家庭菜園。これまでも小さい規模でやったりやらなかったりの年が続きましたが、ここにきて(注:奥さんの)ガーデニング熱が急上昇。大掛かりになってきました。もちろんきっかけはステイホーム。スウェーデンでもガーデニングショップは大繁盛です。それにしても、我が家、6月からではちょっと遅くないか、と思ったりもしますが。 

まずは土の購入。荷台を手配してどっさり。ちなみに足りなくてこれをもう一回戦。

積むのはいいけど降ろすのがこれまた大変なんですよ炎天下の中。 

大掛かり、といったのは規模の問題というよりも、その設備。実は家の界隈、自然が豊かなわりに家庭菜園をやっている家があまりない。いや豊かだからこそほとんどない。その理由は動物たち。鹿やヘラジカがきて、花やら、新芽やら、実やらを(絶妙な美味しいと思われるタイミングで)食べていってしまうのです。なので必須なのは1.5メートル以上の柵。 

ご近所さんの力を借りつつ柵作り①。

ご近所さんの力を借りつつ柵作り②。僕が写真を撮っているので、毎回作業していないように見えますが、ちゃんとしてますよ。 

このご近所さん、本職ではないのですが何でも作っちゃう人で、僕の師匠。自分の住まいは自分で作る、と、いま彼が住んでいる家を含めて、これまでに3件作ってきた強者です。僕が大好きな彼の言葉は「君に作れないものはない。ただ時間が余分にかかるだけだ」。 

奥さんがせっせと作った「ぼかし」という堆肥(しばらく臭いのが難点)をまぜつつ、苗を植えつつ。こうして土をいじるのも楽しいですが、それとは別に、ベンチも置かなきゃとか、柵に電飾つけようとか、手書きの看板を作ろうとか、その辺の想像が膨らんでたのしい。 

では今回はこのへんで。どうなりますか、またいずれレポートいたしますね。 

Take care. Noritake 

写真・文:アケチノリタケ
スウェーデン生活は、2007年の北極圏のキルナで、極夜のなか幕開け。月日は流れ、今はストックホルム郊外の群島地域で家族3人の生活です。クラフト、デザイン、ライフスタイルの分野を中心に、日本とスウェーデンの架け橋になるような活動をしています。互いの文化の同じ/違うところにふれながら、自分の輪郭がぼやけていくのを楽しむ日々です。
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