#06 ラクリッツ/リコリス
販売店:Lakritsroten
商品名:Nordiskt Lakritskök – Syrligt Blåbär 他
内容量:150 g 他
価格:55 kr他
漢方薬などで使用される生薬「甘草」の一種であるスペインカンゾウの根を原料とした菓子。ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアなど広範囲の国で古くから親しまれる。例外もあるが、黒く、グミのようなものが最も一般的。
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英語でリコリス(Licorice)、スウェーデン語でラクリッツ(Lakrits)、でも北欧好きの読者の皆さまにとって一番聞いたことがあるのはフィンランド語でいうサルミアッキ(Salmiakki)かもしれません。そしてその日本での紹介のされかたは、大抵の場合(言葉は悪いけど)げてもの、でしょうか。僕も人生で最初に食べたラクリッツは、学生の時にオランダ人の友達からもらった黒いドクロの形をしたやつで「まっず」という記憶しかなかったので気持ちはわかります(のちの人生で、スウェーデン旅行のおみやげとしていろんな種類のラクリッツを職場で配った結果、渡した当日の就業時間にはほとんどゴミ箱に入っていた、という同僚の残酷な行為もぐっと堪えられるほどに)。
しかし、あえて言いたい。ラクリッツは深い。深い旨みがある。受け取った人を(嫌な意味で)驚かせるためのネタなんかではなく、新しい味覚、新しい美味しさの体験ができる「おみやげ」になるのだ、と!!(落ちつこう)
スーパーでも売っていますが、やっぱり専門店には様々な種類が。
おすすめのお店は、ストックホルムの5店舗ふくめスウェーデンに合計9店舗展開するLAKRITSROTENさん。原材料である「甘草の根」という店名で、スウェーデンのメーカーを中心にさまざまな種類のラクリッツ商品がそろっています。
こちらはHornsgatan店。現在はパンデミックの関係でやっていませんが、店内奥には試食ワークショップのコーナーがあります。このワークショップで僕のラクリッツへの固定概念は壊されました。
それらを大きく分類すると「塩味系」「甘味系」「生系」に分類できると思います。もちろん、チョコレート味、やベリー味、キャラメル味やミント味など、味のキャラクターにも様々な種類があり、また、グミ系、ハードキャンディー系、ペースト系などの形状による分類も可能なのですが、なによりも大分類として、まずは「しょっぱい」か「あまい」かが最大の分かれ目です。というのも、スウェーデンでは圧倒的に「しょっぱい系」に人気があるためです。
こちら塩味系の棚。その中でミントやベリーなど、味のキャラクターが色々ある。
こちらは甘味系の棚。
ジョージア産の原料を煮詰めてつくった100%ラクリッツ。これが生系。ラクリッツ本来の甘みや塩みが楽しめるぶん、これが一番とっつきやすい、という意見もあり。個人的には「仁丹」みたいな感じ(例えが古いかもしれませんが)。
ものすごい種類があるので、今回は店員のナタリーさんのおすすめ5選にしぼりつつ、ラクリッツの世界をご紹介しましょう。
5品盛り合わせ。魚のかたちのから時計回りに紹介します。
Fiskar -Rökta- (Kolsvart): 55 kr
一つ目は僕も以前から大好きなスモーク味のラクリッツ。マルメのメーカー「Kolsvart」の人気商品です。塩みは薄めでラクリッツ本来の甘味と鼻から抜けるスモーキーな香りのバランスが最高。ラクリッツの味に慣れていない人に嫌厭されがちなのが、ラクリッツのもつ特有のアンモニア臭ですが、この商品はスモーク味によって、あまり気にならない感じに仕上がっています。一般的なラクリッツ菓子からするとだいぶ異端の味付けですが、僕は逆に入門編としてもおすすめです。
Syrligt Blåbär (Nordiskt Lakritskök): 55 kr
スウェーデンのプレミアム・ラクリッツのメーカー「Nordiskt Lakritskök」による、サワーブルーベリー・ラクリッツ。口に入れた瞬間、酸味とブルーベリーの香りのアタック、かむにつれてラクリッツの控えめな塩み、甘みが合わさってきます。程よい柔らかさの噛み心地も特徴的。これもまたラクリッツが苦手な人にもおすすめできる品。
Salmiakbomb: 20 kr/1 piece
2016年に年間の最優秀ラクリッツ賞を受賞した商品。とろけるバターキャラメルをチョコレートで包み、ラクリスパウダーを振りかけて仕上げています。それぞれのパートが持つ甘さ、苦さ、塩み、香りのコンビネーションが最高(そうそう、いわゆるラクリッツのグミが苦手な人は、ラクリッツパウダーから始めるのが僕のおすすめ。バニラアイスにかけたりすると、いきなり大人のデザートに)。辛口のスパークリングワインと合わせると最高よ、とナタリーさん。高品質の原材料をつかい、一つ一つ手作りでつくられており、プレゼントとしても人気だそうです。
Gran Lakrits (Almaregården): 49 kr
南スウェーデンのメーカーによる、もみの木の新芽をつかったラクリッツグミ。昔ながらの手仕事の製法で、天然素材、動物性ゼラチン未使用などにこだわった商品。もみの木の新芽は食べたり、発酵酒の材料になったり、スウェーデンの人には身近なものですが、正直になところ、そこの慣れ親しみがない僕にはこの味の組み合わせはちょっと突飛すぎな気も。。。
Chokade Svenskjävlar (Haupt): 89 kr
高品質のラクリッツ商品(お菓子だけでなく、パウダーなど料理やベイキング用の材料)で有名なHauptのチョコレートコーティング・ラクリッツグミ。今回のおすすめの中では唯一かなりの塩味系。アタックは塩みと苦味、アンモニア臭のきいたラクリッツパウダー。ビターチョコレートのクリーム感とラクリッツグミの控えめな甘さが後からやってきて一体に。ですが初心者にとっては、この粒を一口で食べると、あまりの塩味に心臓が痛くなること必至ですので、要注意です。
実はこのお店の人気ナンバーワンは上記5つの中にはあえて入れていません。それは一番塩味が強いやつで、ナタリーさんに味見させてもらいましたが、いやあ、さすがにこれは渡した直後にゴミ箱に行くかもしれないな、とおもい、外させてもらいました。。。
最後に注意点を。原材料の甘草(内のグリチルリチン酸)には中毒症状の可能性があるとされています。甘草の種類、使用される部位、製品化した際のグリチルリチン酸の量、または摂取する人によっての反応の違いなどから、スウェーデンの食品管理局では具体的な摂取基準値を設けてはいませんが、あまり一度に食べすぎないようにしましょうね。
ではではこの辺で。
おまけ(専門店ならではの変わり種)
ラクリッツ味のコーラ。悪くはないけど。。。
ラクリッツの歯磨き粉。ミントとラクリッツのMIX。フッ素も配合。イタリア製。手前はボディーローション。ごめんなさい、さすがに試してません。
小型店ですが、ストックホルム中央駅コンコースの2階にもお店があるので、最後のおみやげ購入にぜひ。
Take care. Noritake
写真・文:アケチノリタケ
スウェーデン生活は、2007年の北極圏のキルナで、極夜のなか幕開け。月日は流れ、今はストックホルム郊外の群島地域で家族3人の生活です。クラフト、デザイン、ライフスタイルの分野を中心に、日本とスウェーデンの架け橋になるような活動をしています。互いの文化の同じ/違うところにふれながら、自分の輪郭がぼやけていくのを楽しむ日々です。
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