進学する娘に伝えたい。痴漢の予防策と被害に遭った時の対処方法
新生活のスタートとともに電車通学やバス通学を始める娘さんがいると、やはり心配になるのが痴漢の被害ですよね。制服を着ているだけで狙われやすくなるという説もあり、女子中高生を娘に持つ親としては心配です。
そこで今日は、痴漢の予防策(対策方法)と、痴漢の被害に遭った時の対処方法をお伝えします。年頃の娘さんがいる人は、ぜひ本人に教えてあげてください。もちろん、女性のみならず誰でも役立てられる情報ばかりですよ。
目次
電車やバスに乗るなら知っておきたい痴漢の予防策(対策方法)
では早速、痴漢の被害を防ぐ方法をご紹介します。
その1.痴漢の被害に遭いやすい場所を知り、避ける
まず実践してほしいのは、痴漢の被害に遭いやすい場所を知り、避けることです。
実は、同じ電車内でも痴漢の被害に遭いやすい場所と遭いにくい場所があります。
例えば、こういった場所は痴漢の被害に遭いやすい場所です。
・ドアの付近
・連結部分の付近
(奥まっていて人の動きが少ない場所)
・電車を降りたらすぐに改札から出られる位置の車両
もちろん女性専用車両があるなら女性専用車両を選べばよいのですが、ない場合もありますよね。そういった場合には、今ご紹介した位置を避けることが大切です。
しばらく乗ったままでいるなら、乗ってすぐの位置にとどまらず車両の真ん中あたりまで進むことをオススメします。
その2.痴漢の心理を知り、けん制する
続いてご紹介するのは、痴漢の心理を知った上で相手の行動をけん制する方法です。
けん制とは、威圧したり監視したりして相手の動きを封じ込めること。つまり痴漢の心理を知って事前に対処することで、相手に「痴漢しよう」とは思わせなくするのです。
痴漢の心理として確実に覚えておいてほしいのは「気の強そうな女性よりもおとなしそうな女性の方が狙いやすい」というもの。
例えば女子中高生の場合、制服の丈が短く派手な外見をしているタイプよりも、従順そうに見えるタイプの方が実は痴漢に狙われやすいという説もあるのです。
ただ、いくら痴漢を防ぐためだからとはいえ、外見を派手にしたり制服の丈を短くしたりするのは抵抗がありますよね。
そこでオススメなのが、痴漢防止バッジや防犯ブザーをよく見える位置に付ける方法です。
「痴漢抑止バッジ」
(中高生を中心とする学生たちがデザインを考案)
「私たちは泣き寝入りしません」と書いてあるバッジを見れば、きっと痴漢は気軽に犯行を起こせなくなります。通勤・通学時には、ぜひバッグの目立つ位置に付けてみてください。
その他にも、こんな行動は痴漢の抑止につながります。
・女性の多く並ぶ列を選んで並ぶ
(後ろに男性が並んだら並び直す)
・常に周囲を見渡して警戒心をあらわにする
・体の周囲に違和感を覚えたらすぐ手で払う
(じっとしない)
ちょっとしたことでも意外と効果は出ますので、ぜひ今日から実践してみてください。
被害に遭った時のために痴漢の対処方法も知っておこう
続いて、痴漢の被害に遭った時の対処方法をご紹介します。
対処方法1.勘違いでも気にしない!違和感を覚えたらまず動こう
1つ目の対処方法は、とにかく動くこと。「もし違ったら…」と考えているうちに痴漢の行為がエスカレートする恐れもあるため、何か違和感を覚えたらとにかく動くことが大切です。
具体的には、手で振り払ったりカバンでガードしたり、思い当たる人の顔を見たりします。
明らかに触られていることが分かった時は、すぐにその場でしゃがみ込むのも良い方法です。この場合は、次の駅でいったん降りて別の車両に乗り換えるのが得策かもしれません。
大切なのは、じっとしないこと。
何もせずにじっとしていると、痴漢を調子に乗らせてしまう可能性があります。違和感を覚えたらとにかく何かしらの行動に移すよう、日頃から心掛けておくとよいですよ。
対処方法2.痴漢の被害が確実なら周りに知らせよう&証拠を残そう
痴漢をされていることを確信したら、そのまま泣き寝入りするのは悔しいですよね。かといって、自分で痴漢の手をつかんだり「やめてください」と大声を出したりできる人は多くないでしょう。
そこでオススメなのが、痴漢撃退アプリの使用です。
例えば、警視庁が提供しているアプリ『Digi Police(デジポリス)』には“痴漢撃退”というボタンがあり、このボタンをタップすると「痴漢です 助けてください」と書かれた画面が表示されます。
(実際に「Digi Police」を起動させたスマホ画面)
つまり、この画面を周囲に見せることさえできれば自分では声を発しなくても痴漢の被害を周囲に知らせられるのです。
痴漢の被害に遭っていることを知ってもらえれば、目撃した人が犯人の確保や証言に協力してくれるかもしれません。
さらに、黒い画面をタップすると今度は「やめてください」という女性の声が流れ始めます。どんなに手慣れた痴漢でも、こんな音声が流れ始めたら思わず手を引っ込めるでしょう。
痴漢を撃退するアプリは他にも出ていますので、ぜひチェックしてみてください。事前にダウンロードしておけば、いざという時にきっと役立ちますよ。
確実に証拠を残すには「写真」と「DNA」が有効
娘さんが痴漢の被害に遭った場合を考えると、できることなら法的な措置も検討したいところですよね。
法的な措置を取りたい場合は、やはり証拠を残しておくのが一番です。
確実に痴漢の証拠を残したければ、触れている手が誰のものなのかをまず確認しなければいけません。満員電車の場合は目視できるか分かりませんが、まずはスマホや鏡を使って確認してみてください。
可能であれば、その手が誰のものか分かるように手から人物までをたどって痴漢の顔を写真や動画に収めておくのがベストです。この場合、写真より動画の方が有効な証拠を残せるかもしれません。
また、犯人の特定にはDNAが役立ちます。犯人の手や腕を引っかくと自分の爪と皮膚の間に相手のDNAを残せますので、覚えておくとよいですよ。
その場合は強く引っかかなくても、かゆいところをかく程度の力で引っかけばOK。DNAは十分に残ります。
痴漢は被害に遭う前の対策が重要。事前にしっかり学んでおこう
今日は痴漢の予防策(対策方法)と、痴漢の被害に遭った時の対処方法をお伝えしました。
どんなに準備をしていても、いざ痴漢の被害に遭うと怖くて動けなくなってしまう可能性があります。中には男子でも痴漢に遭う子はいますので、電車やバスを使って通学するお子さんがいらっしゃる方は本人にぜひ教えてあげてください。
何事も「備えあれば憂いなし」ですよ。
執筆:永瀬 なみ(コラムライター・カウンセラー)
【参考元】
・痴漢被害の予防について|神奈川県警察 鉄道警察隊
・電車や駅構内での痴漢犯罪等の相談は鉄道警察隊へ|京都府警察
・痴漢がひるむ「痴漢抑止バッジ」、身に着けるだけで効果がある理由|ダイヤモンド・オンライン
・満員電車で「痴漢」被害に…どう対処すべきか弁護士が解説|幻冬舎ゴールドオンライン
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