『冬休みの昼下がりにぴったり。長く持つフィンランドの「群島パン」の作り方』

北欧 フィンランドからの手紙

フィンランドではとにかくパンをよく食べます。小麦粉で作るパンのほか、大麦やライ麦で作るパン、ジャガイモが入っているパン、サワードウやバゲット、フォカッチャなど種類は豊富で、フィンランドのスーパーマーケットに行くと乳製品同様、パンのコーナーの想像を絶する大きさに、度肝を抜かれる人も多いのではないでしょうか。

その中でも「サーリストライスレイパ(Saaristolaisleipä / Nauvon limppu)」という黒パンは、「リンップ」と呼ばれる種類の、黒蜜でコーティングされた少し甘いパンで、ちょっと特別な集まりやお土産などに持って行ったりもできる、贅沢な気分が味わえるパンです。フィンランドといえば群島が有名ですが、このパンはナウボ(スウェーデン語ではナーグ)というフィンランドの南西部にある島に伝統的に伝わるパンです。材料を探すのに手間がかかるかもしれませんが、この冬休みなど、お時間のあるおうち時間に是非挑戦してみてください。一度焼いたら乾燥した地域なら2週間、冷蔵庫でも同じ期間持ちます。

フィンランドの「サーリストライスレイパ(群島パン)」の作り方

材料
① サワーミルク(フィンランドではpiimäを使いますが、ヨーグルトでも大丈夫です)...0.5l
② 生イースト...35g
③ 黒蜜...1.5dl
④ 大麦モルト...1.5dl
⑤ ふすま(大麦において、米のぬかにあたる部分)...1.5dl
⑥ ライ麦粉...1.5dl
⑦ 塩...大さじ1.5d
⑧ パン作りよう小麦粉...1l

作り方

① サワーミルクをゆっくりと38度にまで温める。その間に全ての材料の分量を量り、生イーストと小麦粉以外の全ての材料をボウルの中で混ぜておく。

② 温まったサワーミルクにイーストを入れ、よくかき混ぜ、①のボウルの中に加えて素早く混ぜる。全ての分量の小麦粉を加え、ダマがなくなるまでよく混ぜる。

③ ボウルの上に清潔な布を被せ、1時間半ほど生地を発酵させる。

④ 2lほど入るパンの焼型を一つ、またはそれより小さいものしかない場合は複数用意し、内側に油やバターなどを塗る(分量外)。焼型に生地を流し込み、175度に温めたオーブンに入れて1.5時間ほど焼く。

⑤ 1.5時間ほど経ったら、オーブンから取り出し、黒蜜と水を1:2の割合で混ぜたものを刷毛でパンの上から塗る。

⑥ オーブンに戻してさらに30分ほど焼き上げ、中まで火が通り外はパリッと焼けているか確認し、取り出す。

⑦ 焼型からパンを取り出し、布を被せて2時間ほど休ませて出来上がり。

オーブンによって出来上がりが変わるので、時間や温度は様子を見て調節してみてください。こちらに記してあるのは私たちのオーブンで作った場合の時間や分量です。パンは2、3日経つとさらにしっとりと穀物の味わいが深くなります。サーモンスープのお供にたっぷりバターを塗ってシンプルに、または焼いたサーモンとチーズをのせて、など色々な組み合わせでお楽しみください。

次回はサーモンスープと自家製のフラワーソルトバターの作り方をご紹介します。

それでは、良い年の瀬をお過ごしください。



写真・文 : 吉田 みのり

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