『週日記』

北欧 フィンランドからの手紙

日記ではなく週日記。この5日に起こったことをざっくばらんに記します。

土曜日

レストランの仕事をしていると、金曜日と土曜日が一番忙しいので絶対休めません。夫のベンヤミンはレストランでしか働いたことがないので、金曜日と土曜日は基本的に家にいないのが当たり前ですが、この日はちょっと早めに結婚三周年をお祝いするために、特別に休みを取ってくれました。

この日は珍しく快晴!青空がまぶしいです。

この日は私たちの両方ともが働いていたお店『The Cock』で、生牡蠣が一つ1ユーロと破格だったので、生牡蠣とシャンパンからお祝いの日を開始することにしました。

20個頼んでも20ユーロ…しかもベンヤミンが同じ系列の会社で働いているので半額…!

レストランの仕事は体力的にも精神的にもきついのですが、こんな特典があるのが嬉しい点でもあります。

次はアンティークの食器や家具などが売っている、大きなセカンドハンドのお店『Fasaani』へ。

安藤忠雄氏が表紙の雑誌もみつけました。

ここでは掘り出し物の食器が見つかるので、機会があれば頻繁に覗いています。

この日の滞在先、Hotel『St. George』へ。ステイケーションというやつです。もうかれこれ数か月、旅行には行けないけれどホテルに一泊してちょっと非日常な空間でリラックスした週末を過ごしたいねと話していたけれどなかなか時間がなかったので、ついに実現。

新しいホテルだけれど格式高い建物の中に作られたので、新しさのなかに重厚感があるデザインが魅力的です。

楽しみにしていたスパ!

南国の光を遮るような光の感じが最高でした。ギリシャやスペイン、タイやラオスなどの暖かい国々の海やプールで泳いだ日々を思い出して、嬉しくもまたノスタルジックな気持ちにもなりました。

ディナーはずっと行きたいと思っていた『Vinkkeli』で。野菜を使った料理はすべての素材の味がお互いを引き立てていて、控えめながら存在感のあるという素晴らしいバランスに悶絶しました。

メインの白身魚の料理は、こんなに天国に近い形で白身魚を調理する人がかつていたであろうか…というほど美味しかったです。あとで友達に聞いたら、この日の夜は友達が働いていたとのことでした。

ちなみにこのお店は去年の「フィンランドのベストレストラン50」で6位に選ばれていたレストランです。お料理だけではなくワインのセレクションもフィンランド随一。サービスも感じが良いので、人気の理由がよく分かりました。

日曜日

翌日も快晴。海へ散歩に行きました。

光に当たるだけで、健康体になったような気持ちになれるのが本当に不思議。

歩いていたら古本屋を見つけました。

欲しい本も発見。この日は日曜日で開いてなかったので、また来よう。

小学校~高校生の時から古本屋が好きで、よく通ったものです。小さな古本屋に並んだ、誰かの本棚にいた本を眺めるのが好きで。もう廃版になったような本や、存在さえ知らなかったような面白い本に何度も巡り会いました。普通の本屋にはない魅力があります。2000年代を境にどんどん消えていったのが悲しくて。東京に住んでいた時は、よく神保町を散歩したりしました。(下北沢にもたくさんあったけど、だいぶなくなってしまった)

お昼ご飯は手打ちの中華麺が食べられる『Big Bowl』へ。大きいので食べ終わったあとはしばらく歩けないことを覚悟しなくてはならないけど、美味しいのでつい行ってしまいます。

夜は家に戻ってサウナ。2日間連続でサウナに入って、心も身体もすっきりリフレッシュした週末でした。

月曜日

この日はおにぎりとエビフライの試作品を作って、撮影をしました。

夕方、本を読んでたら友達のオリヴィアが電話をくれて「近くまで来てるから、ディナーでもどう?」と誘ってくれたので、夫のベンヤミンと3人で近所のレストラン『WINO』へ行きました。

『WINO』は旬の野菜や魚などを使った小皿料理とナチュラルワインが楽しめるお店で、とっても人気のレストランです。とっても好きで、この4年間で数えられないほど来店しました。

オリヴィアは4年前に同じ職場で働いて仲良くなって、一緒にカミーノ巡礼に行ったり私の結婚式のブライズメイドになってもらったりしたのですが、最近は夫のベンヤミンと一緒にしている居酒屋プロジェクトもシェフとして手伝ってくれています。夫と友達が仲良くしているところを見ると、私は本当に幸せだなって思います。小さいことだけど、二人が心を開いていく様子を見るのととても心温まります。

火曜日

この日は仕事のため、買い出しへ。テイクアウト用の容器を探しに行きました。

できるだけプラスチック容器でなく、リサイクル紙などを使った容器を使いたいのですが、なんとも高いこと…。でもできるだけ環境に考慮したテイクアウトを目指しています。

夜は私主催の「フィンランドのレストラン界隈の文化盗用について語る会」。比較的新しい友達で、レストランやアカデミックの世界で活躍している若い人たちを集めての議論はとっても刺激でした。

水曜日

水曜日は仕事で買い出し。いつものようにHakaniemen Kauppahalli(ハカニエミのマーケット)に行って、魚屋さんで美味しい魚を仕入れます。

そばにあったカフェの、菓子パンが美味しそうでつい写真撮ってしまいました。

仕入れた魚を使って作ったのはちらし寿司。次のポップアップショップの商品の一つとして考えて、試作品を作りました。

夜はウォン・カーウァイ監督の『恋する惑星』とスタンリー・トゥッチとキャンベル・スコットが監督と俳優を務める『ビッグブラザー』を観ました。

そんなこんなの5日間でした。



写真・文 : 吉田 みのり

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