部下のメンタルケアに。メンタルヘルスマネジメントに役立つ資格2選

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部下のメンタルケアに。メンタルヘルスマネジメントに役立つ資格2選

部下のメンタルケアも上司の大切な役目であることをご存じでしょうか? なぜなら、企業や管理監督者には従業員に対する安全配慮義務があるからです。では、部下を持つ立場になったらどのようなことに注意し、どのような知識を身に付ける必要があるのでしょう。

今日は、部下を持つ人に知ってほしいメンタルヘルスマネジメントの考え方と、メンタルの管理に役立つ資格をご紹介します。部下のメンタルケアに必要な知識を効率よく学びたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

部下を持ったら知っておきたいメンタルケアの知識と考え方

メンタルケアとは、精神面での配慮や援助を指す言葉。そしてメンタルヘルスマネジメントとは、心の健康管理を指す言葉です。

私たちが社会で健康的に働くには、体だけでなく心の健康にも気を配らなければいけません。

また冒頭でもお伝えした通り、部下を持つ立場になると自分だけでなく部下の健康にも気を配る必要が出てきます。

というのも、2015年には「ストレスチェック制度」が施行され、従業員のメンタルヘルスマネジメントについても企業や管理監督者の責任が問われるようになったのです。

この制度で責任を問われるのは企業や管理監督者(※)だけだと思いがちですが、実はそうとも言い切れません。

※管理監督者とは…管理職に就く人を指す法律用語。管理監督者に当たるのは「年次有給休暇」「深夜労働」「割増賃金」といった労働時間規制の適用から除外することを認められた人(職)のみ

上司は部下に働き方を指示できる立場にあることから、単なる上司であっても管理監督者と同様に安全配慮義務を負うものと判断された事例が過去にあるのです(※1)。

例えば、社内でパワハラやモラハラなどの問題が起こるのは、ストレスやメンタルケアに関する上司の意識が乏しいことも原因の1つと考えられます。

先ほどご紹介した過去の事例も、部下の長時間労働による体調悪化を上司が放置したことにより起こった事件でした。

以上のことから、上司には業務を管理するスキルだけでなく、部下がストレスで心身に不調を抱えないよう気を配るスキルも必要だと考えられます。そしてこれこそが、上司に必要な「メンタルヘルスマネジメント(心の健康管理)」のスキルなのです。

ではメンタルケアやメンタルヘルスマネジメントにまつわる知識を得るには、どのような方法を選べばよいでしょうか。

専門書を読んだり講習(セミナー)に参加したりする方法もありますが、実はもっと効率よく学べる方法があります。

それは、資格を取る方法です。

ここからは、部下のメンタルケアに役立つ資格を2つご紹介します。どちらも仕事を持つ社会人が無理なく取得できる資格ですので、ぜひ参考にしてみてください。

上司・リーダーにオススメ!メンタルヘルスマネジメントに役立つ資格2選

上司・リーダーにオススメ!メンタルヘルスマネジメントに役立つ資格2選

メンタルヘルスマネジメントを学びたい人にオススメの資格は、次の2つです。

その1.メンタルヘルス・マネジメント(R)検定試験

「メンタルヘルス・マネジメント(R)検定試験」を取得すれば、会社でのメンタルヘルスマネジメントに関する知識を習得できます。

例えば、こんな内容です。

・働く上で必要なメンタルケア
・不調時の対処方法
・部下の不調を見逃さないための管理術 など

試験内容は職務に応じて3つのコースに分かれていますが、部下のメンタルヘルスマネジメントについて学ぶなら「Ⅱ種(ラインケアコース)」がオススメ。

上司として必要な知識を得たい人は、ぜひチャレンジしてみてください。

その2.メンタルケア心理士(R)

「メンタルケア心理士(R)」は、メンタルケアの知識カウンセリングの技法を習得できる資格です。

具体的には、こんな内容を学べます。

・カウンセリングの基本技法
・心理学と精神医療に関する基礎知識
・解剖生理学の基礎知識 など

産業医やカウンセラーと円滑な連携を行うための知識も身に付くため、「メンタルケア心理士(R)」は人事や総務の仕事に関わる人にも役立つ資格といえるでしょう。

部下だけでなく自分のためにもメンタルケアの知識を蓄えよう

上司という立場にいる以上、部下が心身に不調を抱えないようメンタルヘルスをマネジメントする(心の健康を管理する)スキルは必要です。しかし、メンタルケアに関する知識を得ることは必ずしも部下のためだけとは限りません。

というのも、一時的にではありますが管理職への昇進直後にはメンタルヘルスが悪化するという調査結果があるのです(※2)。

部下のメンタルを潰さないことも大切ですが、管理職である自分も潰れないように働くことも意識しておきたいですね。

部下だけでなくあなた自身のためにも、今回ご紹介した資格を通してメンタルケアに関する知識を深めてみてはいかがでしょうか。

執筆:久慈 桃子
(メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種 保有)
編集:永瀬 なみ

【参考サイト】
(※1)管理職のうち誰が安全配慮義務を負うのか?【弁護士が解説】|弁護士法人デイライト法律事務所
(※2)管理職への昇進はメンタルヘルスにどのような影響を及ぼすのか|独立行政法人経済産業研究所
メンタルヘルス・マネジメント(R)検定試験|大阪商工会議所
メンタルケア心理士(R)認定試験|医療福祉情報実務能力協会

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