『フィンランドで起こしたいフルーツサンドブーム』

北欧 フィンランドからの手紙

フルーツサンドを初めて食べたのは恐らく5歳くらいの時。こんなに美味しい食べ物があるのかとびっくりしたような気がする。あれは80年代のこと。それから何十年と、食べる機会があるたびに心躍った。フルーツサンドにはなんと100年以上の歴史があると推察されるそう。喫茶店のメニューとして愛されるフルーツサンドを知る人をフィンランドの友達に作ったら、「食パンにクリームとフルーツを挟むなんて!なんてけしからん!なんて天才!さすが美食の国、日本は発想が違うなぁ」といたく感激された。

そんなわけで、試しにテイクアウトのイベントで売ってみることにした。日本を訪れたことがあるフィンランド人やアメリカ人、タイやベトナム人など多くのお客様が「懐かしい!日本のコンビニで買って以来、ずっと夢見てた」と買ってくれた。

そのイベントで買うのを逃したフードブロガーの友達はある日曜日に食パンを自分で焼いて、フルーツサンドを作っていた。そしたら他のフィンランド人も「何それ!食べてみたい!」と大興奮。そんなわけでフルーツサンドブームが来そうな予感…でも自分のバブルの中だけかな。

さくらんぼの形のサンドを作ろうとしたけど全然上手にできなかった。まだまだ修行が足りない。何度も練習しているので、普段会う友達にあげて食べてもらったりしてます。

ちなみにこの写真に写っている帆立の形のキャンドルは、ブラジル出身でヘルシンキで活躍しているデザイナーのフローレンスさんのハンドメイド作品。フローレンスさんはthe eye studioというブランドで、デッドストックを使ったマスクや洋服などを手作りしていて、とてもかわいいので是非。フローレンスさんは私たちのレストランの常連のお客さんで、わたしはフローレンスさんの作品のサポーター。お互いがお互いの作り上げるものが好きという不思議な関係。友情はどこで芽生えるか分からない。

話は戻って、フルーツサンド。いつ作っても大人気なので、またいつか機会があったら販売したいと思っている。そのために、毎日のように修行中。いつかフィンランドでもブームが起こる日をめざして。

写真・文 : 吉田 みのり

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