『小さな海辺の町、エーケネス(タンミサーリ)のおばあちゃんのクラフトショップ』

北欧 フィンランドからの手紙

フィンランド南部に位置するEkenäs(エーケネス/フィンランド語ではTammisaari・タンミサーリ)は、ヘルシンキから車でわずか1時間ほどで行ける海辺の小さな町です。その町の公園の一角に、おばあちゃんが一人で営むクラフトショップがあります。私は2013年からこの小さなお店に機会があるたびに通ってるんですが、おばあちゃんの手作りの陶器や手編みの靴下など、お店にあるもの何もかもがとても可愛いのです。値段はあってないようなもので、買うと手作りの布の袋に商品を入れてくれます(袋の布は毎回違います)。 

町の中心にある広場の横にある小さな公園の中にひっそりとあって、店構えはこんな感じです。 

お店の名前は"Spruthuset"(スプルートゥ・フーセット)。中に入るとちょっと暗くて、手作りのものがぎゅうぎゅうところ狭しと並べらています。小さなお店なのにお宝ざくざく。ちなみにフィンランドでは珍しく、現金のみの取り扱いなのでぜひ現金を持っていってください。 

2013年から彼女の作品を買い続けてるのですが、私の料理を見たフィンランドの人々はいつも「素敵なうつわだね!日本から持ってきたの?」と訊いてくれます。「タンミサーリのおばあさんから買ってるのよ」と答えるとみんなビックリするほどに、和食が似合ううつわを作られるのです。この魚の小皿もおばあちゃんのところで買いました。かわいー!!と、いつも思って使ってます。一点ものならではの味わい深いうつわです。 

今回はお皿など24の商品を買いました。なんと全部で20ユーロ。なんてこと…!「安すぎます。もっとお支払いしたいです」と言ったら「夏も終わりだしこれで良いんです。私は作品を作り続けることが生き甲斐なので、過去の作品は欲しい人にあげたいのです。さぁ、クリスマスの小人をたくさん作らなくては!」と言っていました 。 

ぜひ、機会があれば覗いてみてください。おばあさん、どうやらスウェーデン語とフィンランド語の他に、英語とドイツ語も話せるようです。お店のFacebookのページを見ると、冬は確かに大張り切りでジンジャーブレッドでクリスマスの家をたくさん作ってる様子がうかがえます。元気はつらつでクリエイティブ、私の理想のおばあさん像です。 

文 : 吉田 みのり

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