『スウェーデンの全粒粉ちぎりパン Grahamsrutor i Långpanna』

世界のこと

オーブンの天板に小さな丸パンを並べて焼き上げる『ちぎりパン』の名前を聞くようになったのは2005年ごろからでしょうか。一時のブームに終わらず、今ではすっかり定着し、かわいくデコった進化系も生まれています。日本でちぎりパンが生まれたきっかけは、小さな天板で沢山の量を焼くためなのかな?知らんけど。

スウェーデンにも昔からオーブンの天板で一気に焼き上げるケーキやパンがあります。スウェーデンは大抵ビルトインのオーブンで天板サイズは通常30cm×40cmと大きいので、たくさんの量を焼くためというより手抜きの意味合いが大きい。日本のちぎりパンのように小さな丸パンをたくさん作るのではなく、天板に全体に生地を広げてナイフで格子に切り込みを入れて作ります。ほら、手抜きでしょ。

天板全体を型にして作るオーブン料理を『○○ i långpanna』と言います。långpannaとは天板のことで、○○には作る物の名称が入ります。リンゴケーキなら『Äppelkaka i långpanna』のように。

今回は全粒粉パンを天板で作ったので、『Grahamsrutor i långpanna』。意味は『天板の四角い全粒粉パン』です。もちろんプレーンなパンを天板で作る場合もありますが、全粒粉パンにしたのは、たまたま全粒粉が手元にあったからという単純な理由。

スウェーデンのちぎりパンは、天板に生地を広げてナイフで切れ目を入れる成形なしなので、日本のちぎりパンよりもずっと簡単。成形の必要がないので、水分の多いフワフワパンも手間なしで作れます。

スウェーデンと違い、日本の家庭では多くの方が置き式のオーブンレンジをご使用かと思います。オーブンレンジの天板サイズを調べると、機種によって少しの違いはありますが、大体内寸で27cm×30cmだったので、そのサイズに合うように分量を調整しました。我が家のオーブンはビルトインで、スウェーデン程ではないけれど、オーブンレンジよりもそこそこ大きいので天板に壁を作って調整しましたが、オーブンレンジの方は多少違っても、そこまでサイズに神経質になる必要はないと思います。

それではレシピをどうぞ。


<用意するもの>
・27cm×30cmくらいのオーブン用角皿

<材料>
・全粒粉 180g
・強力粉 280g
・イースト 10g
・牛乳 350cc
・はちみつ 大さじ1.5
・塩 小さじ1
・バター 35g 溶かす

<作り方>
1.ボウルに牛乳を40℃くらいに温め、イーストと溶かしバターを加えて混ぜて溶かす。

2.塩とはちみつを加えて混ぜる。

3.全粒粉を加えて混ぜ、強力粉を2回くらいに分けて加え混ぜる。

4.大体混ざったら、手に替えて10分くらいしっかりと捏ねる。ベタベタとした水分の多い生地です。

5.生地をまとめて、強力粉を表面に振り、カバーをして室温、あるいはオーブンの発酵で30分、あるいは2倍くらいになるまで発酵させる。

6.オーブンの天板にベーキングシートを敷く。発酵した生地を全体に広げ、好きな大きさの格子にナイフで切れ目を入れる。


7.天板にキッチンタオルなどをかぶせ室温、あるいはオーブンの発酵で30分発酵させる。

8.220℃に予熱したオーブンで20分焼く。ラックの上に乗せて冷ます。

<ヒント>
我が家のオーブン用の天板は大きいので、サイズの調整をしていますが、通常のオーブンレンジの場合は全体を使ってください。
4×6の24個のテーブルロールサイズにしましたが、16個や12個など好きな大きさにカットしてください。


食事の時に添えるパンにも、具を挟んでもいいです。簡単に作れるので思い立った時にどうぞ。全粒粉がなければ小麦粉だけでも作れますよ。



三田陽子
北欧ビンテージの買い付けのため年に数回訪れる北欧各国で個性的な北欧料理にはまったのがきっかけになり始めた北欧レシピサイト『北欧のおやつとごはん』。材料は日本で手に入るものを使い、分量も日本サイズに調整して家庭で気軽に作れるように工夫されたレシピが人気。なかなか日本では食べられない北欧の味をお試しください。

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