『フィンランドの図書館のひみつ』
およそひと月前のことですが、図書館で予約待ちをしていた本がついに回ってきました。
皆さんはどのくらいの頻度で図書館を利用しますか?
フィンランドでは550万人の人口に対して、年間に6800万冊の本が図書館で貸し出されています。国民一人あたりの読書量世界一で、約77%の人が1日に1時間本を読んでいるといわれるほど。図書館の数も多く、図書館利用率も世界一。平均して1人1ヶ月に1回は図書館を利用し、1人当たり年21冊借りているという調査結果も出ています。
フィンランドでは図書館は国家の教育機関と見なされているのため、毎年の国家予算では図書館の割合は大きく占められています。図書館は全て公立、数は950以上、毎年国民一人当たりに対して3万円以上の本を購入。作家や翻訳家への助成金もしっかりしています。
フィンランドの図書館では本が借りられるたび、Sanastoという文学者協会のメンバーになっている作家に対して1冊15円の印税が入り、作家活動にも平均で一人あたり年間7000ユーロ(約80万円)の補助金が出される(2016年の予算)ことになってます。図書館からの作家や翻訳家への助成金は、病気や怪我など働けない状況になった場合などの対応もあり、国民の教育に関わる人として国家から手厚く守られています。
私の場合は、仕事やミーティングなどがある場合は週に1回、そうでなくても月に1回は図書館を訪れます。子どもの頃から本を読むのは好きでした。
でもフィンランドの場合、図書館は本を読んだり、勉強したりするだけの場所にとどまりません。
日本のメディアでも何かと話題となった2018年12月にオープンのヘルシンキ中央図書館「OODI(オーディー)」。ミシンや3Dプリンターやポスタープリント機やゲームルームもあります。
友達はここで洋服を縫ったり、家に飾る大きなポスターを印刷したりしてました。
カフェやレストランも併設され、屋上のテラスでのんびりコーヒーを飲んだりもできます。
ポルヴォーの市立図書館では、8月6日、ヒロシマを思い出す日として折り紙のワークショップと日本風のランタンに灯をともすイベントが開催されていたので、参加してきました。
他にも、楽器の貸し出しをしている図書館、さらにスタジオ部屋も併設されていて、予約して借りた楽器でバンド練習ができる図書館などもあります。フィンランドの図書館の可能性は無限大。自由で豊かな空間に身を置くと、自分の心も豊かに広がっていくような思いになります。
写真・文 : 吉田 みのり
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