『秋の夜長に、考えすぎて悶々としてしまう自分の魂をちょっぴりケアするための無花果とレモンバターのパスタ』

北欧 フィンランドからの手紙

フィンランドは無花果(イチジク)が店頭に出回る季節になりました。まるで蜂蜜に顔を突っ込んだかのように甘くてねっとりもちもちの食感、無花果はどうしてこんなに小さいのにパワフルな存在感を放つのでしょう。そして秋のちょっぴり寂しくなった心を満たしてくれる果物でもあります。

心が寂しい時、ちょっとストレスが溜まった時、なんとなく疲れている時、私がすることはキッチンに立ってもくもくと料理すること、ジムに行って汗を流すこと、森に散歩に出かけて自然の中で歩きながら瞑想すること、気の置けない友達と会って思い切り話してお互いを認め合うこと。

それでも秋の夜は長く、次第に寒くて暗くなっていく季節の変わり目は、ふと将来のことが不安になったり、自分の日々の行いや生き方について考えすぎて気が沈んだりしてしまう日もあります。そんな時は億劫でも思い立ってキッチンに行って、ちっとも手間はかからないけれどちょっぴり贅沢な料理を自分のために作って、自分に優しくする時間を持ちたいものです。この季節ならではのパスタ料理「無花果とレモンバターのパスタ プロシュート添え」を作って、ちょっと一息、ゆっくり魂をケアしてください。

無花果とレモンバターのパスタ プロシュート添え の作り方(1人分)

①にんにく1片、玉ねぎ1/4、唐辛子半分をみじん切りにして、フライパンでオリーブオイルでゆっくり炒める。

②フライパンにバター15g、生クリーム10cc、レモン汁大さじ2程度を加える。

③塩たっぷりで茹でたパスタをフライパンへ投入し、茹で汁も少し加えて混ぜ、塩気が良さそうならそのままお皿に盛り、塩気が足りなかったら塩を足してよく混ぜる。

④プロシュートと無花果をのせ、胡椒とレモンゼスト、オリーブオイルをかけて出来上がり!

私はストレスが溜まったり、心がイガイガすると、自分の持っている小さなことに幸福を感じるように努力しています。ストレスが溜まるということは、一生懸命に生きているということ。一生懸命に何かに取り組むことができる環境にいることは、なんて幸福なことなのだろう。そしてストレスが溜まっていると気づいているこの心は、ちゃんとSOSを察知して、自分の心に休息を与える機会を設けようとしているのだ、偉いなぁ。そして美味しいものを食べて、のんびりしたいなんて思ってる私の身体は、笑っちゃうくらい正直者だ。なんて、自分の身体のあらゆる部分を誉めたりしています。好きなことをして、お腹の底から思いきり笑って、ゆっくり寝て。そうすれば、心寂しくなる秋の夜も乗り越えられそうです。

文 : 吉田 みのり

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