『ビールで富を築いた一族のコレクションが楽しめる「シネブリュコフ美術館」』

北欧 フィンランドからの手紙

「14世紀から19世紀初頭までのヨーロッパの絵画が今ものすごく観たい!」と強く思う瞬間、私が向かうのはヘルシンキのプナヴオリ地区にあるシネブリュコフ美術館です。シネブリュコフ美術館はビールの独占輸入販売で成功した大金持ちのロシア人実業家、ニコライ・シネブリチョフが設立し、1975年にフィンランド政府が建物を買い上げ修復を行い、1980年に美術館として開館した美術館です。

コレクションはパリでいうところのオルセー、ルーヴル、中世美術館のコレクションに近いものがあり、規模は小さいながら特に近代の絵画やロココ調の家具などをゆっくりと鑑賞することができます。

画家の筆さばきに呼吸を合わせると、その絵の中にずぶずぶと身体が飲み込まれて、タイムトリップしたような気持ちになるから不思議です。

館内の隣には「シネブリュコフ公園(通称コフプイスト、またはコッファリ)」があり、ここは冬はスキー遊びをしたり、夏はピクニックやスケボー遊びをしたりと家族連れや若者にも大人気の公園です。公園でシネブリチョフ一家が富を築いたきっかけになる「KOFF(コフ)ビール」を飲むのもまた面白いかもしれません。

文 : 吉田 みのり

RELATED ARTICLES

PICK UP