『フィンランドのバチェロレッテパーティーとブライダルサウナ(前編)』

北欧 フィンランドからの手紙

日本に住んでいた時はあまり馴染みがなかったけれど、フィンランドに引っ越してから身近となったイベントの一つに、バチェロレッテパーティーがある。バチェロレッテパーティーは結婚を間近に控えた女性のために開かれる基本的に女性だけのパーティーで(親友が男性なら招かれることももちろんある)、フィンランド語では男性版のバチェラーパーティーとあわせて、両方「Polttarit(ポルッタリ)」と呼ぶ。ちなみにスウェーデン語ではバチェラーパーティはSvensexa(スヴェンセクサ)、バチェロレッテパーティーはMöhippa(モェーヒッパ)でジェンダーによって名前が異なる。

結婚を控えた女性の女性の一番親しい友達数人が、独身最後の週末をお祝いするというのがバチェロレッテパーティーの基本のフォーマット。結婚式のプログラムやテーマが人それぞれであるように、バチェロレッテパーティーのテーマやアクティビティも主役の好みや趣味によって十人十色だ。大抵の場合は主役には内緒で、友達や姉妹、幼馴染みなどが集まって計画を立て、一日思いきり楽しく過ごして思い出作りをするというのが伝統だ。

先日私が参加したバチェロレッテパーティーの主役は日本で10年以上前に会って以来、仲良くしている友達のティーナ。7年以上交際しているベトナム人の婚約者と結婚式を計画していたところ、コロナ感染症が起こってしまったことでこの1年の間に4回も結婚式を延期してしまい、この秋と冬はちょっと落ち込みがちだった彼女。1年かけて私たちが計画していたバチェロレッテパーティーをついに実行して、どんな反応するかな?とドキドキだったけど、思いっきり楽しんでくれたみたいで本当に良かった!

フィンランドのバチェロレッテパーティーは、寝ている主役を早朝に誘拐するところから始まる。あの手この手で朝、ベッドルームに押し込み(要・パートナーや家族の手助け)、パジャマのまま、そしてノーメイクのまま外に連れ出して、他のメンバーが待つ最初の会場へ連れていき、みんなでスパークリングワインまたはミモザで乾杯するのがお決まりだ。

子どもの頃からハリーポッターが好きだったティーナのバチェロレッテパーティーのテーマは、ティーナの妹と親友の提案でホグワーツ魔法学校入学式。手作りの組み分け帽子を被って、まずは寮分け。もちろんティーナはグリフィンドール!メイクをしてハリーの傷もおでこに入れて気分はすっかりハリーポッター。「子どもの頃の夢がついに20年後の今、かなった!」と大喜びでかわいかった。

マジックポーション(ウォッカに色付けしただけ笑)に魔法の杖、そしてロンドンからホグワーツ行きの9¾ プラットフォームのチケットが全員に配られ、いざ次の場所へ。

もちろん一日の全てのプログラムは全てサプライズで、主役は右も左も分からない状態で連れていかれます。でも愛する家族や友達が何度も話し合って彼女のために考えたプラン、喜ばないわけがない。2年半前に私のために友達がバチェロレッテパーティーをしてくれた時は、とにかくぜんぶが嬉しくて。一秒一秒が楽しくて愛に溢れていて、今思い出しても喜びに浸れる一日だった。ティーナも何度も「今日は人生で最高の一日!」と言って喜んでくれていた。

次の会場はフォーミュラ・センター!ハリーポッターのクィディッチの代わりに、ここで結構本格的なゴーカート。

その後は二手に分かれて、一方はネイルサロンへネイルトリートメントに。もう一方は次の会場に行って飾り付けとごはん作りに。私はごはん担当なので会場へ。

(後編に続く)



写真・文 : 吉田 みのり



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