『野草のシーズン到来!ヘルシンキで気軽に楽しめる野草②イワミツバ』

北欧 フィンランドからの手紙

Vuohenputki(英語:ground elder、和名:イワミツバ)はセリの仲間で、古くからヨーロッパ各国ではスープに利用されたり、中世からは痛風や関節リウマチの治療用にも用いられてきた野草。

春の柔かい葉はホウレンソウに似ているとされ、生でも加熱しても食べられる。食感も風味も爽やかで、洋風にも和風にも合うので、春の雪解け時に土から顔を出しているのを見ると、ついつい嬉しくてむしってそのまま食べてしまう(※庭や森など、人けのいない場所に生えている清潔なものを選ぶことを忘れずに)。

たくさん生えてきたら、両手に乗らないくらい摘んで、料理する。

細かく刻んでから味噌、コチュジャン、ニンニクを合わせて茹でた根パセリと一緒に。

フィンランドで、春の野草を使った和食。

イワミツバとバジルを使ったペストを、モッツァレラチーズと白ワインヴィネガーでコンポートしたアプリコットとたんぽぽの花びらと食べるひと皿。

大豆からお豆腐を作った時にできたおからを使ってベジナゲットと森で摘んできたイワミツバやセイヨウナツユキソウ、ガーリックマスタードをサラダにして、タヒニ・ヨーグルトを添えて食べるひと皿。

若くて柔らかな葉はそのまま食べても美味しい。黄ビーツと黄唐辛子とフェタチーズ、オリーブのペストとイワミツバのサラダ。春の味、春の匂い。

イワミツバと紫蘇、マヨネーズ、レモン汁、醤油をハンドミキサーに入れて撹拌し、バターで炒めた椎茸に絡めた簡単な料理。最後に七味唐辛子をふりかけて、和風っぽい椎茸おつまみの出来あがり。

わたしの周りでは「スーパーマーケットなどのお店で売っているもの」よりも、「庭で採れたりんご」とか「森で採れたきのこ」など大自然から直接享受する野菜や植物、魚などに喜びを感じる人が多い。日本でも同様に、「飲み屋のおばさんが漬けた果実酒」とか「裏山から今朝採れたばかりのたけのこ」とかに価値を見出す人は多いと思う。余るほど採れる、恵みの食材。こんなご馳走をこれからも愛していきたい。

写真・文 : 吉田 みのり

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