素敵なポートランダーに聞く
これからの人生を考えるヒント#01

北米 ポートランドから

テリー・ギャルバーさん

テリー・ギャルバーさん / ティーブランド T Project創業者

ポートランドに暮らしながらいきいきと働く女性たちを紹介する『PORTLANDERS』。
第1回はティーブランド“T Project”のテリー・ギャルバーさんです。
Teri Gelber/T Project founder
(テリー・ギャルバーさん / ティーブランド T Project創業者)

素敵なポートランダーに聞くこれからの人生を考えるヒント

「前世は日本人だったの」と微笑みながら話すのはテリー・ギャルバーさん。日本文化に精通していて、日本にも訪れている彼女が2012年に創業したティーブランドが「T Project」。彼女自身の目で選び抜かれたオーガニック・ティーやハーブを手作業でブレンドし、人工添加物や香料は一切使わず、ひとつひとつ丁寧に作ったブレンド・ティーを提供しています。

ポートランドでは珍しく太陽が顔をのぞかせた朝、ショップを訪ねると早速テリーはお茶を淹れてくれました。店内には道ばたに咲いていたという季節外れの桜が飾られていて日本的な、わびさびの感じが漂っています。
「LAでは料理の先生、ラジオショーのプロデューサー、レストランでも働いていたわ。そして、妊娠してもっと小さな街で暮らしたいと思って、ポートランドに移住してきたの。ポートランドでも地元の月刊誌などでライターの仕事をするようになったんだけど。思ったほど仕事もなくってね。食に関わる仕事に就きたかった。自分が納得できる仕事と考えて、お茶に辿り着いたの。人工的なものは使わず、自然由来のものを使っているのよ。」

素敵なポートランダーに聞くこれからの人生を考えるヒント

ブレンド・ティーの名前はすべて60〜70年代のクラシックロックやフォークミュージックの曲名に由来。「騒がしくて活動的な朝には“ランブル・オン”(レッド・ツェッペリン)のようなイングリッシュブレックファーストブレンドが、別の朝にはフローラルシトラスティーの“チェルシーモーニング”(ジョニ・ミッチェル)がピッタリね」。音楽と同じようにお茶はその人の気分や感情にそっと寄り添ってくれるもの。歴代の名曲のように、彼女の作るお茶が人々の心に寄り添い、美しさと芸術性をもたらしてくれますように、という願いが込められています。

ポートランドってどういう街?と尋ねてみると「ポートランドは“大きな村”という感じかしらね。43歳で子どもができて移住を考えたんだけど。建築家でヨーロッパにも住んだことがあった夫もポートランドがヨーロッパっぽくて気に入ったのも移住した理由のひとつね」

素敵なポートランダーに聞くこれからの人生を考えるヒント

「典型的なアメリカ人は「早い」ことがいいこと、という価値観だけど、最近は変わってきたかもしれないわね。「スローな」ということでは、ポートランドは進んでいるわ。LAは、お金持ちとそうじゃない人との格差が大きい。街としてはおもしろいけれど、暮らすのは難しいと感じるわ。ポートランドは、クルマを15分も走らせれば大自然に触れることができる。建物の中にいても自然を感じる。地球のために意識的になっている人も多いわ。春には桜の花を使ったお茶を作るの。友だちのファーマーが桜の花を乾かして持ってきてくれるの」

缶に巻かれている美しい紙はネパールの女性社会進出を応援する団体から購入したもの。お茶を入れている透明パックは植物由来の素材を使用しており、そのまま堆肥にすることも可能。環境保全や地域の活性化にも取り組み、できる限りローカルな素材、再生利用可能なものを使用しているというテリーさん。自分で納得できるものを選び、自分で丁寧に作りあげる。決してクリエイターの気難しさはなく、ソフトな話しかたがとても素敵でした。周りに影響を受けることなく、「自分」としっかり向き合っている姿はわたしたちに勇気を与えてくれました。


T PROJECT STUDIO

T PROJECT STUDIO

723 NW 18th Ave. Portland, OR 97209
PUBLIC HOURS : FRIDAY-SATURDAY 12-5 PM
https://www.tprojectshop.com

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