#01イースターそしてCovid-19検査

スウェーデン ABCブック


第13週(スウェーデンでは月名とともに週番号もよく使います)はイースターの週。スウェーデンではポスク(Påsk)と言います。街には色とりどりの羽飾りやラッパスイセン、ニワトリとイースターエッグがあちらこちらに。ポスクのテーマカラーは黄色。空もグレーからスカイブルーに変わる季節で、スウェーデン国旗と一緒のカラーコンビネーション。春の到来です。

さて、この週が訪れる前日、28日の日曜日、スウェーデンは夏時間に切り替わりました。日本との時差が8時間から7時間に。つまり時計の針を1時間進める、ということ。例えば昨日までの朝の6時が7時になるので、切り替わる前に目覚まし時計の針を進ませておかないと、うっかり寝過ごしかねません。朝もさることながら、夕刻の日差しの変化も強烈です。日没が18時半ごろだったのに、いきなり19時半に修正されるわけです。息子は19時半に寝る準備を始めるのですが、これがまだまだ明るいうちから始まる。大人はもとより特に子供は最初のうち馴染めません。明るいから、というより、実際の体内時計が18時半を刻んでいるのですから。

夏時間制は心身に与える悪影響もあるという研究結果もあり、廃止案は定期的に出てきます。ですが僕なんかは、そもそも僕らが共通概念として使用する時間自体が一種のフィクション/約束事なわけで、あの時計の針をグリグリと進める暴力的な感覚は「さあ、今からが春だ」と能動的に冬の閉ざされた殻から破り出ていくようで、それほど嫌いじゃありません。そういう意味で、自動的に夏時間に変更してくれるスマートフォンを時計がわりにしていると、逆に味気ない気もします。

そんなスイッチをきっかけに、どんどん日向ぼっこ人口が増えます。だいたい気温は10度前後なので、風があれば肌寒いですが、日射が強いスウェーデンでは太陽の恵みを感じるには十分です。

さてポスクといえば、特別なお料理でお祝いしたり、魔女の格好をした子供たちがお菓子をねだりにきたり、という習慣があるのですが、息子が風邪気味だったので今年はお預け。念のために代わりに親子共々Covid-19の検査を受けることにしました。

検査は基本的には自分で検査キットを注文し自分で実施します。ちなみに僕のキットはタクシーが家まで届けてくれ、僕が綿棒で自分の喉の粘膜を採取し、提出用のケースに収めるまでの間、待っていてくれて、回収して去っていきました。検査は無料(最高で2週間に1回)で受けることができるわけですが、タクシー会社のインフラを使って実施するというのは驚きです。2〜3日で結果が出ます。

そうそう、最近はこんなお客様が。

スウェーデンでは羊毛の敷物を日常的に使う家庭が多いです。我が家では冬に一枚新調し、古くなったものをバルコニーのベンチ用としたのですが、なんと近所のリスがたびたび持っていっていることが判明。何と地球に優しいリサイクル。というか、再利用に際しての加工コストゼロとかを考えると、リサイクルというよりも、一種のバトンリレーのよう。どんどん持っていっていいよ。

書き忘れましたが、検査結果は無事、陰性でした。なので、お散歩がてら近所のお気に入りマイクロロースタリーのカフェでフィーカでも。

最近はどんなお店に入っても入り口にハンドサニタイザーが置いてありますが、ここは各テーブルにHAANが。

座ったところはマンハッタン・グレースの香りだそうで、他にはサンセットだとかひとつひとつ違っていて面白い。おしゃれな除菌グッヅを商売っ気といえばそれまでですが、こうした時代でも生活を楽しむ工夫は必要ですよね。

長々書いてしまったので、この辺で。この焙煎所の話は別の機会に。

それではまた。

Take care, Noritake


写真・文:アケチノリタケ
スウェーデン生活は、2007年の北極圏のキルナで、極夜のなか幕開け。月日は流れ、今はストックホルム郊外の群島地域で家族3人の生活です。クラフト、デザイン、ライフスタイルの分野を中心に、日本とスウェーデンの架け橋になるような活動をしています。互いの文化の同じ/違うところにふれながら、自分の輪郭がぼやけていくのを楽しむ日々です。
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