#28 ハロウィーン

スウェーデン ABCブック

僕が子供の頃の日本にはなかった習慣、ハロウィーン。こちらでも事情は同じようで、2000年に入ってから徐々に一般化したとか。今年は10月31日が日曜日ということもあって(僕はスウェーデンのハロウィーンが毎年10月末日だということも知らなかったですが)、親戚が集まって本格的な仮装パーティーをする家も多かったようです。 

一方、わが家は先々週に長女が無事生まれ、パーティーどころじゃない、ということで特別なことはこの集落の毎年恒例のハロウィーンイベントに参加するのみでした。某ソーシャルメディア上でこの集落のグループがあり、そこに立てられたイベントページには当日お菓子の用意をしている家の住所がリストアップされていきます。それを元にお化けやらなんやらに扮した子供たちが訪問していくわけです。 

お菓子をくれなきゃいたずらするぞ、の定番句「Trick or Treat」はスウェーデン語では「Bus eller Godis(ブース エッレル ゴーディス)」と言います。意味は一緒。ただまあ去年同様、ドアをノックして家主とこのやりとりをするというのは、昨今の状況的にちょっと控えめで、ろうそくなどを灯した敷地の入り口にかぼちゃの頭とボウルいっぱいのお菓子がすでに用意されていたりして。かわいいお化けたちは非常に甘やかされております。 

最近、この界隈では4匹のヘラジカ家族が頻出するというニュースが相次いでいました。1匹ならいいですが子連れだと親ヘラジカもちょっとアグレッシブになるので、この夜のイベントもグループで行動。幸いにしてヘラジカ家族に会うこともなく無事終了しましたが、もっとも、お化けたちがぞろぞろと懐中電灯をゆらゆらさせつつ行進していたら、ヘラジカも逃げだすに決まってます。 

スウェーデンでは「Lördagsgodis(ローダースゴーディス:土曜日のお菓子)」といって、子供たちがお菓子を食べすぎないようにするための標語みたいなのがあるのですが、この日ばかりは毎日食べても7日間持つほどのお菓子を手に入れて、うちの子も大変ご満悦でした。 

というわけで今回はこの辺で。 

おまけ

スーパーに並ぶかぼちゃたち。キロ230円なので、バスケットボール大だと500円ほど。これをくり抜いてランタンにします。 

Take care. Noritake 

写真・文:アケチノリタケ
スウェーデン生活は、2007年の北極圏のキルナで、極夜のなか幕開け。月日は流れ、今はストックホルム郊外の群島地域で家族3人の生活です。クラフト、デザイン、ライフスタイルの分野を中心に、日本とスウェーデンの架け橋になるような活動をしています。互いの文化の同じ/違うところにふれながら、自分の輪郭がぼやけていくのを楽しむ日々です。
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