『ふーとむー#福がきた』

コラム3「日々を 紡ぐ」

フック

子供の頃からずっと家に猫がいました。私が大人になってからも、母は庭にやってきた猫たちを捕まえては避妊去勢の手術をし、居着いた猫たちの面倒を見ています。

2014年の2月、久しぶりに実家に行った時に出くわしたちょびヒゲ模様の黒白猫
右手に怪我をしているようだったので、いつものように捕まえて病院に連れて行ったらと 
軽い気持ちで両親に告げた数日後に母から電話があり、獣医さんに診せたところかなりの 
重傷で、助けるためには右手を切るか、それが無理なら安楽死をさせるか決めてほしいと
言われたとのことでした。

当時実家にはすでに外から引き取った猫が三匹居て、猫エイズのキャリアと3本足という
ハンデを持つことになるその子を迎えるのは難しいかもしれないと言われた時にとっさに
「私が引き取るから手を切ってもらって」と告げていました。

そうして大手術を乗り切って新しい人生を生きることになったちょびヒゲくん。
とはいえ、引き取ると宣言した私は当時ペット不可の物件に住んでいたため、その子を
迎えるためにまずは新しい家を探すところからスタートすることに。
長期出張から帰った途端に何の相談もなく猫を引き取るから家を探したいと言われた夫と
家が決まるまで実家の一室で面倒を見てくれた両親の協力もあり、無事に新居も見つかり
晴れて我が家に迎えられたのはその年の9月でした

3本足のちょびヒゲくんの名前は「フック」。
ピーターパンのフック船長にちなんで名付けました。

なくした右手でフックが招いた次の福に出会うのはそれから半年ちょっと先のお話し

 

 

写真・文:金森玲奈(写真家)

東京都生まれ。街に生きる猫と何気ない日々のカケラを撮り続けています。手に取れる形で写真を残す大切さを伝えるワークショップやフォトレッスンを不定期で開催中。
3本足のふーと耳の聴こえないむー、カメラマンの夫の2人と2匹暮らし。

HP:https://www.kanamorireina.com/
Instagram:https://www.instagram.com/kanamorireina/

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