『11月のポップアップ居酒屋&日本酒バー in ヘルシンキの報告①』

北欧 フィンランドからの手紙

9月に引き続き、11月も無事に2日間のポップアップ居酒屋&日本酒バーを終えることができました。(ご来店してくださった皆様、ありがとうございます!)「なかなかヘルシンキで居酒屋をする人も多くないから、どんな料理を出しているのか聞いてみたい」というリクエストをいただきましたので、全3回に分けて今回のご報告を記したいと思います。

今回のメニューは以下でした。

・牡蠣グラタン
・山芋と胡瓜のゆかり和え(2日目はいぶりがっこクリームチーズ)
・大根含め煮プロシュート
・胡麻豆腐と柿
・きのこあんかけ豆腐
・和風ユッケ
・地頭鶏炭火焼き
・牛タンまかないカレー
・抹茶アフォガートと豆腐チョコレート

お酒のラインナップはこんな感じです。

【牡蠣グラタン】

前回は帆立を使った料理から始めたので、今回は牡蠣から始めよう!旬だし!という単純な発想から牡蠣グラタンをご提供する運びとなりました。牡蠣はスウェーデン産のとっても新鮮な牡蠣を使用しました。

コースの最初にちょっと特別な魚介類が出てくると嬉しくなるのは私だけじゃないはず。グラタンに使うベシャメルソースには豆乳と味噌を使い、優しい味にしました。しかしアレルギーを持つお客様が非常に多いフィンランド、あらかじめたくさんのリクエストが来ていましたのでグルテンフリーバージョン、豆乳抜きバージョン、バター抜きバージョンとベシャメルソースだけでアレルギーに合わせて4種類ご用意しました。

【山芋と胡瓜とゆかり和え】

山芋と胡瓜とゆかり和えは、山芋がフィンランドでそこまで知られていないこと(アジアンマーケットで買えるものの)、ゆかり好きなフィンランド人の友達が多いことからメニューに入れることに決定したのですが、山芋が1日目で品切れになったこと、またお客様の反応を見て、2日目はいぶりがっこクリームチーズに変更しました。

いぶりがっこクリームチーズは評判がとても良かったので、これから定番になりそうです。チーズ好きのフィンランド人には馴染みやすい味なんですよね。あとこちらの人は「燻製の香り」や「コリコリとした食感」が好きなので、秋田のいぶりがっこはフィンランドの人々のハートを毎回鷲掴みにします。それに何と言っても日本酒に合う。隠し味は文通相手のお友達に送ってもらった軽井沢の燻製オリーブオイルです。

【大根含め煮プロシュート】

和食の素晴らしさを伝えるのに欠かせないものは出汁の奥深い旨味なので、今回は美味しい出汁をたっぷりと使った大根含め煮を作りました。借りているレストランがイタリアン・レストランであることから、イタリア料理へのオマージュを表現しています。

ちなみに前回はモッツァレラチーズを味玉に見立ててタレに浸し、塩麹を和えたトマトと一緒に和風カプレーゼとしてお出ししたり、手打ちうどんで和風カルボナーラうどんを〆にご提供したりしました。借りているレストランはイタリアから産地直送で素晴らしいハムやチーズを入手しているので、最高級プロシュートハム「プロシュット・ディ・サン・ダニエーレ」を譲ってもらいました。ご招待したいつもは頭が堅いイタリア人オーナーも、「生ハムと大根が合うなんて!とっても美味しかったよ!」と言ってくれました。

これは試作品を作った時の写真です。

(②に続きます!)



写真・文 : 吉田 みのり

RELATED ARTICLES

PICK UP