『パンにも野菜にも合う、自家製バターとフラワーソルト』
前回の記事では「フィンランドの群島パン(サーリストライスレイパ)」のレシピをご紹介しましたが、今回はそのパンにピッタリの自家製バターとフラワーソルトのレシピをご紹介します。
フラワーソルト=花の塩はエディブルフラワーにヒマラヤ岩塩などのロックソルトを加えて、手で砕いて乾燥させて作る、宝石みたいな塩です。砕く時は細かくしずぎず、舌の上に乗せるとふわりと気持ちよく溶けるような大きさで。透明の瓶で保存して、サラダや肉料理、魚料理などに使います。茹でたじゃがいもに合わせても美味しいです。
特にこのフラワーソルト、手作りバターに合わせると抜群に美味しくなります。おもてなしの時にもぴったりで、バター好きが多いフィンランドの人々に必ずといっていいほど喜んでもらえる一品です。
バターはこってりした生クリームをホイップすることで水分が飛んでできたものです。もし生クリームを泡立てすぎて硬くなりすぎた経験がある人なら、バター作りのほんの手前まできたことがあるということです。さらにホイップして脂肪分と水分を引き離せば、バターの出来上がりです。出来上がったらお湯をかけて温かくなったスプーンで形を整えて、フラワーソルトをかけて出来上がり。
生クリームから作るバターは普通に買うより少し高くつくかもしれませんが、余った生クリームの使い道がない場合にはぴったりの救済法です。生のラディッシュと食べればフランス風。フランス留学していた時、新鮮なラディッシュはこうやって食べるのが美味しいと現地の人に教えてもらいました。
近年のフィンランドのレストランでは自家製のバターが出るところも多く、そのバリエーションも多数。乾燥したきのこのパウダーを混ぜたもの、Brown butter(焦がしバター)を混ぜて香ばしくしたもの、などなど。フィンランドの人々にとってバターは非常に大切な食材のひとつで、特にヘルシンキのレストランではふわふわの柔らかなバターと香ばしい自家製パンを出すところがとても多いのが特徴です。かつてヘルシンキの新しくオープンしたスペインバルで働いていた時、パンと一緒に良質なオリーブオイルと塩・胡椒を提供していたところ、次々とお客様から「バターが欲しい」とリクエストがきて、スペイン人シェフが頭を抱えていました。バターはそれほど、この土地の多くの人々にとってパンや肉料理などととも切っても切り離せない存在なのですねー。
写真・文 : 吉田 みのり
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