『フィンランドの森で見つける、食べられる草花』

コラム1「北欧 フィンランドからの手紙」

小学校からずっと東京で育った私は、植物や鳥を見てその名前が言えたり、薬用の草木の効用などを知っている人にずっと憧れていました。東京に住んでいた時は、都会の街に住みながら、山登りやキャンプなど自然に触れることを趣味にしていたりもしたけれど、絵本の中に出てくる魔女のように、怪我をしたり病気になったら野草を使って治療したり、森のきのこを採ってきて調理して食卓に並べたりすることは、きっとないと思っていました。

時は流れて現在は、フィンランドの森の近くに住み、野草やきのこに詳しくなり、憧れの魔女にちょっとずつ近づいているような気もします。

例えば、初夏のあたりからそこら辺に生い茂るように生えているセイヨウノコギリソウ。

フィンランド語ではSiankärsämöという名前ですが、消化器系のサポート、生理痛・むくみの緩和、痔やニキビの予防や緩和、ストレス・不安・緊張・神経疲労の緩和などの効能が期待されるとされています。ちょっとだけ体調に不調を感じた時などに、沸騰させたお湯に10分ほど浸出させて飲むと、みるみる体調が戻ります。苦味が気になる場合は蜂蜜を加えると、美味しくなってさらにたくさん飲めます。

もちろん効果に個人差はありますが、私の場合はちょっとしんどいくらいの時は科学的な薬を飲まないようにしていますので、森の恵みをちょっと分けてもらう野草のお茶が自分の身体には合っています。

オウシュウトウヒ(フィンランド語ではKuusi)の若い球果もご馳走です。こちらも5月頃になると、いわゆるクリスマスツリーに大量に出現します。鮮やかなワイン色ですが、1ヶ月ほど経つとこれらは緑色になり、そして秋には茶色になって固くなり、松ぼっくりになります。若芽はフィンランド人にも大人気の香りで、大手の会社がウォッカやアイスクリームのフレーバーにするほどです。実もかじると香りがします。爽やかな森の香りが食欲を引き立てます。

私たちはピクルスにして、ケーパーのような感じでサラダやパスタに使います。苺みたいだけど松ぼっくりの赤ちゃん。初夏の森の香りを瓶にたっぷり閉じ込めます。

今は11月。初夏が来て、また森の豊かな植物たちに会えるのが今から楽しみです。野草を使った料理やレシピをInstagram(https://www.instagram.com/totally_edible/)で公開していますので、ご興味のある方は是非チェックしてみてください。ちなみに、先週森できのこ狩りをしていたら、自分の身体くらいの大きな鹿2匹がこちらに向かってドドっと走ってきて、その後ろには軽自動車くらいの大きさのヘラジカが全速力で走っていて、心臓止まるかと思いました。森歩きは楽しいけれど危険が隣り合わせということを身に染みて感じました。



写真・文 : 吉田 みのり

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