『フィンランドで作る居酒屋料理』

コラム1「北欧 フィンランドからの手紙」

ヘルシンキで、たまにポップアップ居酒屋&酒バーを開いています。夫は根っからの料理人。私もフィンランドに来てから料理に目覚め、職業にしたいと強く思うようになりレストランに就職して、色々なお店で修行しました。
2年前、夫婦で日本を旅していた際、居酒屋をはしごして楽しい夜を過ごしている最中に「この楽しさ、喜び、美味しさ、カジュアルさ、旬の素材をふんだんに使う美しさをフィンランドにも紹介できないか」と私が言ったところ、「僕も全く同じことを考えているところだった」と夫。それがきっかけで、2人で居酒屋の開業を決意しました。

コロナ感染症が世界を覆い尽くすちょっと前までは開業準備に追われていたのですが、その後世界はあっという間に想像だにしていなかった方向に変わってしまい、開業は見送ることとなりました。店舗も銀行からの融資も決まっていたけれど、すべて白紙に。
レストラン業界は一時、政府の緊急法案によって営業中止を余儀なくされ、そのために解雇が度重なり、私も現在はIT会社でAIに関わる仕事に就き、キッチンの仕事から遠ざかってしまいました。でも、「手にすべきものは、必ずちょうど良いタイミングで自分たちの手に巡ってくるものだ」という考えを信じて、今はたまにのポップアップを楽しんでいます。

お陰様で好評で、発表して2時間くらいで予約満席になり、予約待ちのお客さんが毎回増えています。特にシェフやソムリエなど、レストラン業界の人たちがとても注目してくれているので、同じ食に情熱があるもの同士、意見交換をしたり刺激し合える関係を築き上げていることに喜びを感じます。

今までにご用意したお料理は串揚げ、鶏つくね串、お刺身、ジーマーミー豆腐、スパイシーモツ煮込み、チキン南蛮、塩麹トマトカプレーゼ、いぶりがっこクリームチーズ、なめろう、餅モンブラン、カルボナーラうどん、茄子の揚げ浸し、雲丹醤油マヨネーズじゃがいもなど。国境にとらわれない、自由で独創的な居酒屋文化をもっと紹介していきたいと思っています。




写真・文 : 吉田 みのり

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