火災の防止対策してる?部屋別のチェックリストで再確認してみよう
冬は乾燥する季節でもあり、火災が増える季節でもあります。あちらこちらで発生した火事のニュースを見て「うちは大丈夫かな?」と不安に思う人は少なくないでしょう。
そこで今日は、自宅の火災防止に役立つチェックリストと部屋ごとのチェックポイントをご紹介します。火災を防止したい人は自宅での対策が万全か、いま一度チェックしてみてください。
目次
火災を防止するポイントは?部屋別チェックリストで確認しよう
では早速、火災を防止するポイントをチェックしてみましょう。それぞれの部屋別にチェックリストをご用意しましたので、ぜひ活用してみてください。
その1.寝室での寝タバコは絶対にNG!火災警報器の点検をお忘れなく
まずは、寝室のチェックポイントからご紹介します。
次の項目で、当てはまるものは何個ありますか?
□ 寝タバコをすることがある □ ストーブをつけたまま寝ている □ ストーブと布団の距離が近い □ コンセントのプラグにホコリがたまっている □ 電気コードを束ねたりたこ足配線をしたりしている |
この項目のうち、1つでも当てはまるものがあったら要注意。どれも火災の原因になり得ます。
実は、タバコは火災の中で最も多い原因です。深く寝入ってしまえば火災となっても気付かない可能性が高いため、寝室での喫煙は特に注意しなければいけません。
火災を防ぐためにも寝室には灰皿を置かず、喫煙は布団へ入る前に済ませておくとよいでしょう。
また意外と盲点なのが、火災警報器の故障や電池切れです。
住宅用火災警報器の電池は、10年ほどで切れてしまいます(※2)。せっかく設置していても作動しなければ意味がありませんので、ぜひ定期的に点検してみてください。
なお点検の仕方は、取扱説明書や各メーカーのウェブサイトに載っています。
その2.キッチンの火災を防ぐポイントは「心掛け」と「掃除・点検」
続いてご紹介するのは、キッチンの火災を防止するチェックポイントです。
次の項目で、当てはまるものは何個ありますか?
□ 火を付けたままコンロのそばを離れることがある □ 調理するときの服装には特に気を配っていない □ コンロの周りに燃えやすい物が置いてある □ ガスのホースに劣化・焦げ・ヒビ割れなどがある □ 換気扇を定期的に掃除していない □ 電気コンロの主電源を入れっぱなしにしている |
こちらのチェックリストも先ほどのチェックリストと同様、1つでも当てはまるものがあったら要注意です。どれも火災の原因になり得ます。
ガスコンロの場合、特に注意が必要なのは衣類への引火です。手前のコンロに火が付いたまま奥のコンロへ手を伸ばしたときに引火するほか、袖口が大きく開いた服を着て調理していると袖に引火するケースもあります。
また恐ろしいことに、衣類が火に触れなくても近づいただけで引火するおそれがあるのです。
そこでオススメなのが、次の3つを心掛けること。
・調理中にコンロのそばから離れない
・調理中は袖をまくり、衣類が火に近づかないよう注意する
・安全装置の付いているコンロを使う
加えて、家庭用の消化器をキッチンに置いておくと万が一のときも安心です。キッチンの火災をしっかり防止したい人は、ぜひ実践してみてくださいね。
その3.リビングでもタバコの扱いには要注意!家電の使い方にも気を配ろう
続いて、リビングのチェックポイントをご紹介します。
リビングでの出火を防ぐためにチェックが必要なのは、主に次の項目です。
□ 灰皿に水を入れていない □ 灰皿に吸い殻がたくさん残っている □ ストーブに安全装置が付いていない □ ストーブの上部および周辺に洗濯物や燃えやすい物がある □ コンセントとプラグの間にホコリがたまっている □ 電気コードの上に家具や家電が乗っている □ 電気コードを束ねたりタコ足配線をしたりしている |
寝室と同様に、リビングでもタバコの火には要注意。中でも特に注意が必要なのは、火の不始末です。
実は火を消したつもりが消せておらず、ゴミ箱に捨てた吸い殻から出火するケースは少なくありません。
火災を防ぐためには、灰皿に水をためておいて火が完全に消えてからゴミ箱に捨てるか、紙巻きタバコから加熱式タバコ(電気タバコ)に切り替えるとよいでしょう。
総務省の発表によると、加熱式タバコは紙巻きタバコよりも火災の発生リスクが低いそうです(※3)
※火災防止の安全対策を施している製品に限ります
また、リビングはストーブや電気機器からの出火も多い場所です。電気機器からの出火には、例えばこんな事例があります。
・こたつの中で乾かしていた洗濯物が発火
・石油ファンヒーターの前に転がっていたスプレー缶が発火
・電子レンジでサツマイモを加熱し続けたことでサツマイモが発火
電気機器からの出火を防ぐには、まず取扱説明書をよく読んでから使うことが大切です。当たり前のことに思えても、取扱説明書の注意書きに書いてあることは必ず守らなければいけません。
加えて、コンセントとプラグの間にたまったホコリは定期的に取り除く必要があります。この場所にたまったホコリは、トラッキング現象(※)の原因となるためです。
※トラッキング現象とは、コンセントとプラグの間にたまったホコリに湿気が加わり、微電流が流れて発火する現象のこと
普段あまり気に掛けていない人は、これを機にコンセント周りのホコリをチェックしてみてくださいね。
その4.放火による火事は意外と多い!家の周りをチェックしよう
最後に、屋外のチェックポイントをご紹介します。
次のうち、当てはまる項目は何個ありますか?
□ 家の周りに燃えやすい物が置いてある □ 収集日以外にも家の前にゴミを出している □ 家の周りが暗い&人通りが少ない □ 敷地内に誰でも入ってこられる(門扉に鍵を掛けていない) □ 自転車やバイクのかごに燃えやすい物が入っている □ 隣近所の住民とほとんど会話をしない |
当てはまる項目が多ければ多いほど、放火の被害に遭う危険度が高まります。というのも、実は火災の中で4番目に多い原因は放火なのです(※1)。
そこでオススメなのが、放火の対策をしっかりとすること。中でも、こんな対策は効果的です。
・家の周りに燃えやすい物を置かない
・家の門扉や車庫、物置などに鍵を掛ける
・家の周辺にセンサー式ライトをつける
・車やバイクのカバーには防炎の製品を使う
・ダミーの防犯カメラを設置する
ちょっとしたことでも放火犯の犯行を食い止めるきっかけになりますので、ぜひこれを機に対策をしてみてくださいね。
春も火災の多い季節!気を抜かずに防止対策を続けよう
今日は自宅の火災防止に役立つチェックするリストと、部屋ごとのチェックポイントをご紹介しました。
炎は建物や家具だけでなく、命や思い出の品までも奪ってしまいます。まだ何も対策をしていない人は、今日すぐにでも取り組んでみてはいかがでしょうか。
なお火災は冬から春にかけて多く発生するため、既に対策をしている人も春まで気を抜かずに続けてほしいと思います。
執筆:永瀬なみ(コラムライター・カウンセラー)
【参考元】
(※1)令和元年(1~12月)における火災の状況(確定値)PDF|総務省
(※2)住宅防火関係 住宅用火災警報器を設置しましょう!|総務省消防庁
(※3)「加熱式たばこ等の安全対策検討会報告書」の公表(PDF)|総務省
・こたつ「2.洗濯物の発火」|独立行政法人 製品評価技術基盤機構
・暖房器具による火災|神戸市
・火災に注意!電子レンジを安全に使用しましょう!|東京消防庁
・住宅用火災警報器Q&A|総務省消防庁
・IHクッキングヒーターにも火災の危険|神戸市
・着衣着火の恐怖|京都市消防局
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