今さら聞けないマイナンバーカード!作れば得する?損をする?
マイナンバーカードとは、その名の通りマイナンバー(個人番号)が印字されたカードのこと。必ず作成しなければいけないものではありませんが、人によってはカードを作ることで多くのメリットを得られる可能性があります。ではマイナンバーカードを作ると、どんな利点があるのでしょうか。
今日はマイナンバーカードを作るメリットとデメリットに加え、マイナンバーカードを作った方がいいと考えられるケースをご紹介します。「結局よく分からないから作っていない」という人は、必要性を判断する材料にしてみてください。
目次
マイナンバーカードを作るメリット
では早速、マイナンバーカードを作るメリットからご紹介します。
マイナンバーカードを作ることで得られるメリットは、主に次の5つです。
・コンビニで公的な証明書を取得できる
・写真付きの身分証明書として使える
・マイナポータルでさまざまな手続きを簡略化できる
・マイナポイントをもらえる
・電子による確定申告(e-Tax)が簡単にできる
どのメリットが重要かは人によるものの、やはりコンビニで公的な証明書を取得できるのは大きなメリットと言えるのではないでしょうか。
役所よりもコンビニの方が安く取得できるほか、コンビニなら土日でも夜間でも取得できます(※)。
※料金や取得できる時間単は市町村によって異なりますので、詳しくは自治体のウェブサイトでご確認ください
また個人で確定申告をしている人にとっては、e-Tax(イータックス)による電子申告を簡単に行えることも大きなメリットです。
現状では、マイナンバーカードを取得しなくてもe-Taxを利用できます。ただマイナンバーカードを用いない方法は、お世辞にも分かりやすいとは言えません。
一方マイナンバーカードを利用する方法なら、マイナンバーカード対応のICカードリーダライタ(※)を使用することで簡単に行えます。
※ICカードリーダライタ……ICカードの電子情報を読み込む機器。マイナンバーカードの情報を読み込むために使用する
さらに、青色申告をしている人にはマイナンバーカードを作ることで得られるメリットがもう1つあります。
それは、所得税の控除額が増えること。
2020年分の確定申告からは、e-Taxでの申告または電子帳簿保存をした人に限り従来に比べて10万円も多く所得税を控除してもらえます(※)。
※これまで65万円の青色申告特別控除を受けていた場合のみ。これまで10万円の控除を受けていた人は、e-Taxによる申告をしても控除額は10万円まで
こう見ると「方法がよく分からないから」という理由でe-Taxの利用を避けてきた人ほど、マイナンバーカードの作成によるメリットを得られそうですね。
マイナンバーカードを作るデメリット
続いて、マイナンバーカードを作るデメリットをご紹介します。
マイナンバーカードを作るデメリットは、主に次の3つです。
・発行の手続きに手間が掛かる
・更新の手続きが必要となる
・管理の必要が出てくる
特に大きいのは、発行や更新の手続きに手間が掛かることだと考えられます。
これまでマイナンバーを証明する書類として使用してきた「通知カード(個人番号通知書)」は、特に更新をする必要がありません。しかし、マイナンバーカードは10年に一度の更新が必要です(※未成年者および電子証明書は5年に一度の更新が必要)。
また発行をするにしても更新をするにしても、マイナンバーカードは受け取る際にわざわざ役所の窓口まで出向く必要があります。これは忙しい人にとって、思いのほか大きなデメリットです。
そしてマイナンバーカードに管理の必要が出てくることも、意外とネックになる部分と言えますね。
マイナンバーカードを身分証明書としても使えるということは、もし紛失したら他の身分証明書を紛失した場合と同じリスクがあるということ。悪用されないためには、パスワードの管理もしっかり行わなければいけません。
このように、マイナンバーカードは通知カードとは全く別の性質を持ちます。そのためマイナンバーカードを作るかどうかを決める際は、これらのデメリットをしっかりと考慮した上で判断するのが得策です。
では、こういったデメリットがあるにもかかわらずそれでもマイナンバーカードを作った方がいいのは、一体どんなケースでしょうか。
最後に、マイナンバーカードを作るデメリットよりもメリットの方が大きいと考えられるケースをご紹介します。
マイナンバーカードを作った方がいいケース
マイナンバーカードを作ることでデメリットを超えるメリットがあると考えられるのは、こういった条件に当てはまるケースです。
・公的な証明書が定期的に必要となる
・青色申告で現行通りの特別控除を受けたい
・写真付きの身分証明書が欲しい
・マイナポイントをもらいたい
・簡単にe-Taxを利用したい など
これらの条件に全く当てはまらないなら、今すぐマイナンバーカードを作る必要はないと言えるでしょう。
マイナンバーカードは必要性を理解した上で作るのが◎
今日はマイナンバーカードを作るメリットとデメリットに加え、マイナンバーカードを作った方がいいケースをご紹介しました。
特に今はコロナ禍ということもあり、3密を避けるためにもマイナンバーカードの取得については慎重に判断しなければいけません。しかしマイナポイント事業も、確定申告も、2021年の3月が期限です。
マイナポイントに限って言えば、予算の上限に達した時点で予約を締め切られてしまう可能性があります。また申請したからと言ってすぐにマイナンバーカードを手にできるわけではないため、その点にも注意が必要です。
これから年末年始のお休みで時間を作れそうな人は、この機会にマイナンバーカードの必要性をじっくりと考えてみてはいかがでしょうか。
執筆:永瀬なみ(コラムライター・カウンセラー)
【参考元】
・令和2年分の所得税確定申告から青色申告特別控除額・基礎控除額が変わります!!(PDF)|国税庁
・マイナンバーカード及び電子証明書の更新について|マイナンバーカード総合サイト
・マイナポイントとは?|マイナポイント事務局
・Q.マイナポイントをもらうには、マイナポイントの予約・申込はいつまでに行う必要があるか。|マイナポイント事務局
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