『ユニークな食材の組み合わせと伝統のテクニック。気軽にタパス感覚でも楽しめる、ナチュラルワインも豊富なレストラン、Plein』

北欧 フィンランドからの手紙

ヘルシンキの中心地からちょっとだけ離れたVallilaという地区にあるレストラン「Plein」は、美味しいものをちょっとずつ色々食べたい時や、土の豊かな香りが芳醇なワインを楽しみたい時に行く、私のお気に入りのレストランです。Kallioにある「WINO」の姉妹店として2018年10月にオープンしましたが、その後系列店という枠を越えて独自の路線に進んで唯一無二の立ち位置を確立しました。現在はフィンランドの流行を牽引するレストランとして一目置かれる存在となりました。

料理はいつも遊び心たっぷり。こんな食材がこんな形に?と驚いたり、この味とこの味を結び付けてしまうとは!と感心したり。

ギリギリを攻めている根幹に確実にある伝統と、洗練されたテクニックとのバランスが取れています。

空いている時間帯にさらりと行って、テラスで美味しいワインとタルタルを食べて帰るのも良し。レストランのオーナーはフィンランド初のビオワインの輸入会社を立ち上げた人たちとしても知られており、そういうわけでワインも上質で個性豊かな品揃えです。

カベルネ・フラン100%のSaumur Champigny Villa Parisienne、2018年。ロワールの土の香りたっぷり、このワインはこの2年の間に何本飲んだことか。店内の雰囲気やサービスはカジュアルでとても居心地良いです。スタッフも良い人ばかり。今年の冬にレストランを貸し切って居酒屋イベントをさせてもらいましたが、シェフも優しい人たちでキッチンもピカピカでさらに大好きになりました。

Pleinの目の前には今年の夏に完成したばかりの隠れ家的存在のワインバーも。このワインバー、名前(現在はKleinという仮りの名前で呼ばれていますが)もウェブサイトインスタグラムなどもなく、知る人ぞ知る存在となってます。ここでワインをちょっと飲んでからレストランに移動するのも、レストランでディナーを済ませてからワインバーに移動するのも楽しいです。

文 : 吉田 みのり

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