『ヘルシンキで好きな映画館3つ』

北欧 フィンランドからの手紙

フィンランドの最大手の映画館といえばFinnkino(フィンキノ)ですが、インディペンデントで面白い映画館もちょこちょこあります。

私が好きな映画館は「Orion(オリオン)」、「Riviera(リビエラ)」、そして「Kino Engel(キノ・エンゲル)」。

Orionは1927年にオープンした、ヘルシンキで最も古い映画館の一つです。レトロな内装がとても魅力的で、上映する映画はサイケデリックなフランス映画や日本映画、フィンランドの昔の映画、現代のグアテマラの社会問題などを取り扱った映画など多岐にわたり、私のツボに非常に刺さるラインナップとなっています。ここで観て感激した映画は数知れず。小津安二郎映画特集などをやっていた時は通ったものです。

RivieraはKallioにある、カクテルや食事などと共に映画を楽しめる映画館。内装はとっても可愛く、映画と社交とグルメを一体化させた画期的な映画館です。かなり前に予約しないと常に満席という大人気の場所。

Kino Engelはヘルシンキ大聖堂の目の前にある小さな映画館。夏の間は併設のカフェの中庭で野外スクリーンを開催していて、とても雰囲気の良い場所です。ここでは『万引き家族』『パラサイト』などの日本や韓国の映画や、ウォン・カーウァイ監督作品特集などを行っていて魅力的なラインナップに胸がわくわくします。

それぞれ、味のある映画館です。

映画館で映画を観る時のお供は日本やアメリカではポップコーンが主流ですが、フィンランドではキャンディ。ポップコーンも売っていますが、それもまとめて「映画の前にキャンディ買おう」と皆言います。大きな映画館では必ずキャンディやチョコレートの量り売りのコーナーがあって、好きなものをスコップで選ぶあの方式で皆キャンディを袋に詰めています。ちなみにグミやチョコレートもまとめてキャンディと呼びます。

文 : 吉田 みのり

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