木製でできたシンクやバスタブを作るフィンランドの会社「Woodio」

北欧 フィンランドからの手紙

生物分解性の服やコスメティックスのブランドや、生物分解性の使い捨て容器がメインストリームとなりつつあるフィンランドですが、生物分解性の、木製でできたシンクやバスタブを作る「Woodio」という水回りの家具に特化したインテリアデザインブランドも注目されています。

ウォータープルーフの、100%木製のシンクやバスタブ

バスルームのバスタブやトイレやキッチンのシンク(流し)などの水回りの家具はこれまでセラミックやプラスチック、石などで作られるものを使う機会がほとんどではなかったでしょうか。しかしそれらの材料はカーボンフットプリントが非常に多く、環境負荷が高いことが懸念されています。Woodieは現代における環境問題を考慮して、カーボンフットプリントの低い木の屑を利用して作った、ウォータープルーフのシンクやバスタブ、キッチンやシャワールームのタイルなどを考案したフィンランドの会社です。

革新的な商品開発

木製の素材をウォータープルーフにするという発想は、かなり難しいのではとCEOのペトロ・ラヒティネン氏も含めて誰もがクレイジーなアイディアだと思っていたそうです。しかし新時代において不可欠な場合は不可能をも可能にできるという信念のもと、化学や素材科学、電子工学や造船技術、プロダクトデザインの専門化などを多く募り、調査・開発に乗り出したそうです。

先々月にトゥルクへ小旅行に行ったときに訪れたレストラン「Kakolanruusu」のトイレのシンクがWoodieのものでしたが、スタイリッシュな空間にピッタリで使い勝手も抜群でした。

表面がつるつるなのに、木製!木製なのにウォータープルーフ!不思議な感覚です。自然から恩恵を受けていることを常に念頭に置き、自然への感謝と敬意をプロダクトデザインに落とし込む企業が多いのがフィンランドの新しいブランドの特徴ともいえるでしょう。Woodieのこの試みを賛同・支持する人も多く、家のリフォームの発注が絶えないとか。私もいつか持ち家が手に入ったらお願いしたいです。

文 : 吉田 みのり

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