フィンランドのイースター

北欧 フィンランドからの手紙

今年のイースターは4月17日。もうひと半月ほどです。多くの人々はイースター休暇に入り、家族とゆっくり過ごすのが習わしです。街頭や店、家ではひよこや卵、芝生の箱やスイセンの花、ネコヤナギなどのイースターの飾りが施されます。

イースターに食べるものといえば、デビルズエッグのような卵料理。そして、ラム肉、人参、魚などの復活祭のモチーフに関連付けられたものが食卓に溢れます。

面白いのはパステルカラーの黄色、オレンジ、黄緑、紫など使う色が大抵決まっているところ。そのテーマカラーに即したケーキやデザートを食べることも多いです。

フィンランドのイースターで食べられる伝統的なデザートとして有名なのはライ麦粉やオレンジの皮などを練り上げて茶色いペーストにした「マンミ(Mämmi・スウェーデン語ではメンマ・Memma)」ですが、その見た目と味はネイティブの間でも賛否両論に分かれます。泥のような見た目に衝撃を受ける人も多いですが、バニラソースやアイスクリーム、生クリームなどを合わせて食べるとほんのりほろ苦い中に深い甘さと旨味があり、さながら黒ビールをデザートにしたようで結構美味しいです。

地域や家によっては、上の写真のようなデザート「パシャ(Pasha)」を作って食べるのが伝統のところもあります。こちらは東方正教会の国々から影響を受けたイースターのデザートで、ロシアにほど近いカレリア地方から伝わったものです。

イースターの週末は、子どもたちは卵探しをしたり、魔女や魔法使いに変装して近所をめぐってお菓子をもらったりまします(ちょっぴり米国のハロウィンに似ていますね)。個性豊かに変装してフェイスペイントをほどこした子どもたちは毎年とっても可愛いです。

文 : 吉田 みのり

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