建立133周年!ヘルシンキのオールドマーケット「Vahna Kauppahalli」

北欧 フィンランドからの手紙

ヘルシンキの観光名所の一つとして、また市民の憩いの場としても愛される1889年に建てられた「オールド・マーケットホール(Vahna Kauppahalli)」は、ヘルシンキ最古の市場です。同じく名所でもある屋台や雑貨売りがひしめくマーケット市場(Kauppatori)の目と鼻の先にあり、海を臨む美しい建物はグスタフ・ニューストロムによる設計によるもの。

市場の中には、魚屋や肉屋、チーズ屋やお惣菜屋、お土産屋やカフェなどがたくさんお店を構えています。

ちなみに酒類が買える「Alko」もあります。フィンランドで最も小さな店舗だそう。国内最小ということで、どんなものかと様子を見に来るお客さんも多いとか。

建物の中でも「Story」というカフェは、美味しいコーヒーやシナモンロールなどのフィンランドならではの焼き菓子のほか、サーモンスープやパスタ、ハンバーガーなども食べられるので一年中大人気です。わたしも5年ほど前、ここで料理を担当していました。

マーケット市場の目の前の港には、大事に手入れされて代々受け継がれてきたであろう美しく古い船が停泊している姿を眺めることができます。

こちらはHelsinki Ennenから、1930年代の同じ場所の写真。

屋外での生鮮食品の売買が主だった18世紀のヘルシンキに、さらに快適で衛生的なショッピングの場として、そして倉庫としての役割を果たす大きな屋内市場の建設案が出たことで生まれたプロジェクトがこのマーケット市場でした。133年経ってもその魅力は色あせることのないまま、現在も立派にその役割を果たしています。

文 : 吉田 みのり

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