『ヘルシンキで気軽に楽しめる野草③セイヨウイラクサと、セイヨウイラクサを使ったスープのレシピ』

北欧 フィンランドからの手紙

セイヨウイラクサ(フィンランド語でNokkonen、英語ではNettle)はフィンランドの森をはじめ道端などでよく見かけるイラクサ科の野草です。ビタミンや鉄分、カルシウムなどの栄養成分を豊富に含み、血液のトラブル改善に向くハーブと言われています。そのためアレルギーの症状を緩和し、体質を改善する効果や、貧血を改善したり、血液にまつわる症状の緩和にも効果があると言われます。

イワミツバとセイヨウイラクサ。紫蘇のような形でとげとげしているのがセイヨウイラクサです。

葉に棘があるので成長したものを触ると肌がやられてしまうのですが、春のまだ柔らかい野草は棘も柔らかく、また味もほんのりと優しいので美味しい野草としてフィンランドの多くの人々から愛されています。

ほんのりと海苔のような、または緑茶のような風味があるので、よく和食にも使っています。

昆布だしで煮込んだ大根のターメリックバター焼き、イラクサのチップと小葱の花、塩辛の紅水菜の和え物。

セイヨウイラクサを軽く茹でて刻み、塩で味付けてから土鍋で炊いたあきたこまちに混ぜたご飯。

今回はフィンランドやスウェーデンで愛されるセイヨウイラクサのスープのレシピをご紹介します。このレシピはなんと1909年のもの!野草の代わりにほうれん草でも代用可なので、100年以上前のフィンランドの味をご家庭でもどうぞ。

セイヨウイラクサのスープ

材料

①チキンブロス(鶏がらスープの素を水に混ぜたものでOK)…700ml

②若いセイヨウイラクサ(ほうれん草を代用してもOK)…700ml(70g)

③バター …大さじ1

④薄力粉 …大さじ

⑤砂糖 …小さじ1

⑥塩・胡椒(あればナツメグ)

⑦卵黄…1個

⑧生クリーム…1dl

作り方

①チキンブロスを沸騰させ、よく洗ったセイヨウイラクサを加え、10分間煮る。

②ブロスはボウルに移し、セイヨウイラクサはざるにあげて取っておく。

③鍋にバターを溶かして薄力粉を加え、焦げないように注意しながら数分ゆっくりとかき混ぜながら熱する。 ボウルに取っておいたチキンブロスを注ぎ、かき混ぜながら沸騰させる。

④みじん切りにした イラクサをスープに加える。 時々かき混ぜながら10分間ゆっくりと調理し、砂糖、塩、胡椒で味を整える。もしあれば、ナツメグを軽く加えても美味しい。

⑤卵黄を大きめのボウルに入てクリームを加え、ふわふわに軽くなるまで泡立てる。鍋のスープを少しずつボウルに注ぎながら同時にかき混ぜ、全てがよく混ざったら鍋に戻す。

⑥沸騰させないよう注意して再び熱して、スープ皿に盛る。 ゆで卵と一緒に食べると、より当時のフィンランド風に近づく。

写真・文 : 吉田 みのり

RELATED ARTICLES

PICK UP