『買い物と仕込みの土曜日』

北欧 フィンランドからの手紙

日曜日と月曜日は私と夫で2年以上にわたって取り組んでいる「居酒屋&日本酒バー」の「バレンタインポップアップレストラン」だったので、土曜日はその準備で買い物と仕込みをしました。

レストランには2日で約90人が訪れるので、レストラン・カフェ・バー業界の会員用の業務スーパー『Heino』で買い物します。

20kgの小麦粉

5kgの小麦粉

180個の卵が入った箱

今回のポップアップレストランでは抹茶クリームが入ったシュークリームを作るためにたくさんのプティ・シューを焼いたので、卵をたくさん使いました。でも基本的に毎回の居酒屋で、卵をたくさん使っているような気がします。

いつも『Madonna』という、夫が働くレストランのキッチンを借りています。

手伝ってくれる友達でシェフで学生でダンスの先生でもあるオリビア、早朝からなのでとっても眠そう。

ちなみに(料理の)仕込みのことを、フィンランドでは「ミサ(misa)」と呼びます。

なぜミサかというと、料理の専門用語で "mise en place"=「仕込みをする、下準備をする」から来ています。フランス語では料理の専門用語以外でも日常会話などで「その場所に置く」といった意味で使います。この専門用語はフランス語で読むと「ミズ・ア(オ)ン・プラース」となるのですが、フィンランド語的に省略して「ミサ」と読むんですね。これを知った時はついクスッとしてしまいました。

私はフランスに留学していたのでちょっとフランス語が分かるのですが、フィンランドの謎のフランス語に遭遇すると「???」となることも多いです。フィンランド語では書いている文字をそのままローマ字のように読むことが多いので、例えば "à la carte"も「ア・ラ・カ(キャ)ルト」と読まずに「アラカルテ」と言いますし、フランス語のワインなどを頼む時は「ボージョレー・ヌーボー」なんて言ってしまったら、極端な場合「は??なんのこと??あ、べアウジョライス・ノウヴェアウのことね」とか返されてしまいます。とはいえほとんどのフィンランド人はフランス語の発音は難しい、話すと笑われる、とコンプレックスを持っているので、私も気遣った方が良いと思い、馴染みのない発音を押し通すことによって相手に嫌な思いをさせてしまうよりは、「そうそう、それですー」なんて言ってスルーすることにしています。ちなみに「ムース(mousse)」のことも「モウッセ」と言ったほうが通じたりします。そういう言葉が結構たくさんあります。

Madonnaの土曜日はいつも予約満席です。

朝から来てパスタの仕込みをしている、ベトナム人のアンドリュー

アンドリューは大の仲良しです。よく飲みに行ったりパーティーしたりします。とっても面白くていつも笑わせてくれます。

ポルトガル人のスー・シェフのカタリーナが来て、仕込みに参加。できたてのティラミスをご馳走してくれました。

愉快な仲間たちが働くMadonna、料理も美味しいし雰囲気も良いので是非訪れて見てください。

宣伝みたいになってしまいましたが、そんな土曜日でした。



写真・文 : 吉田 みのり

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