『6月のポップアップ居酒屋 in タンペレ』

北欧 フィンランドからの手紙

タンペレでのポップアップ居酒屋&日本酒バーが無事に終わりました。新しい土地、新しいお店、新しいスタッフと、新しいこと尽くしで臨んだ2週間、計4日間でしたが、不安もそこそこありましたが、結果的に短期間勝負で作り上げたユートピアとなりました。

まず、タンペレの人々の優しさに心打たれました。タンペレの人々は、お客さんもそうでない人も、レストランの仲間たちも、みんな本当に優しいです!!本当にフレンドリー!!タンペレの街やフレンドリーな人々については、こちらの記事でも少し触れた通りですが、今回はタンペレで働いたことで本当にタンペレという魅力的な街の虜となりました。

今回「うちでポップアップ居酒屋をしない?」と声をかけてくれたのはタンペレのKajoというレストランで、まだオープンしてから3年足らずですが、「フィンランドのベスト50レストラン」に選ばれ続けている実力店です。レストランに隣接しているワインバーの雰囲気が日本の居酒屋っぽかったので、そちらを使わせてもらうことにして、4日間のイベントをオーガナイズしたのでした。

メニューは、地元ピュハ湖で穫れたパイクパーチのなめろうの手巻き寿司や、沖縄名物のジーマーミー豆腐、しめ鯖、胡瓜とわかめの酢の物、秋田郷土料理の「いぶりがっこ」とクリームチーズ、自家製ルバーブポン酢で食べる豚肉のしゃぶしゃぶサラダ、宮崎郷土料理・じとっこの炭火焼、サーモンカマ焼き、にらだご、桜餅パヴロヴァなどをご用意しました。

Kajoのオーナーは3人で、それぞれが全く違う個性と強みを持って、相乗効果でどんどん素晴らしいチームを作っています。ソムリエのマルコは頭の回転が速く、エネルギーたっぷりでオールマイティに何でもできちゃう人。明るくていつもポジティブで、とってもお喋り上手です。

2人目のオーナーはギリシャ人のパナヨティス。おとぼけキャラでとても可愛い存在です。おにぎりを作ってあげたら「アニメで見てずっと憧れてたやつだ…!」と泣きそうになっていました。ムードメーカーで、パナヨティスがいるだけで空気が和みます。

3人目のオーナーはヘッドシェフのベッル。フィンランドのレストランのシェフの多くと同じように、ベッルもとてもシャイです。全然喋らないし笑わないので、フィンランド人の仏頂面にはある程度慣れている(?)私でも最初は怖い人なのかなとか思っていましたが、料理を通してコミュニケーションをとって、今ではとっても大好きで気の置けない仲となりました。料理を食べればその人のパーソナリティや哲学はなんとなくわかったりするものですが、ベッルは新しいことに興味津々で、真底優しい人だということが料理からも伝わってきます。

こんな仲間たちと日本酒についてたくさん学んで、予約満席の日々を汗だくになって一緒に楽しく働いたことは、とても良い経験になりました。お店の経営についても彼らから良いアドバイスを受け、最後は家族ぐるみで仲良くしてくれて、本当に幸福な日々でした。

過ごした時間や教えてもらったこと、少しずつ活かしていきながら、彼らが誇れるようなお店を作っていきたいと思います。そう、もうすぐレストランを開店します!

写真・文 : 吉田 みのり

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